小児科領域におけるCefdinir細粒の総合評価
新経ロセフェム系抗生物質Cefdinir (FK482, CFDN) 細粒 (5%細粒, 10%細粒) の小児における体内動態及び小児細菌感染症に対する臨床検討を実施し, 以下の成績を得た。 1.吸収排泄 (血中濃度, 尿中排泄) 小児163例にCFDN細粒, 1回3mg/kg (以下投与量はすべて力価表示) 及び6mg/kg空腹時あるいは食後投与時の体内動態を検討した。 CFDN3mg/kgを空腹時あるいは食後投与時のCmuはそれぞれ0.92±0.45μg/ml, 0.63±0.29μg/ml, T1/2は1.95±1.06時間, 2.26±0.65時間, CFDN6mg/kgを空腹時あるい...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 44; no. 10; pp. 1168 - 1191 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.10.1991
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Summary: | 新経ロセフェム系抗生物質Cefdinir (FK482, CFDN) 細粒 (5%細粒, 10%細粒) の小児における体内動態及び小児細菌感染症に対する臨床検討を実施し, 以下の成績を得た。 1.吸収排泄 (血中濃度, 尿中排泄) 小児163例にCFDN細粒, 1回3mg/kg (以下投与量はすべて力価表示) 及び6mg/kg空腹時あるいは食後投与時の体内動態を検討した。 CFDN3mg/kgを空腹時あるいは食後投与時のCmuはそれぞれ0.92±0.45μg/ml, 0.63±0.29μg/ml, T1/2は1.95±1.06時間, 2.26±0.65時間, CFDN6mg/kgを空腹時あるいは食後投与時のCmuはそれぞれ1.29±0.49μg/ml, 1.28±0.48μg/ml, T1/2は2.11±1.85時間, 2.01±0.84時間であり, 3mg/kgと6mg/kg投与間には用量相関がほぼ認あられた。0~8時間の尿中排泄は, 3mg/kg空腹時投与で20.5±8.8%, 食後投与で14.8±5.9%, 6mg/kg空腹時投与では16.5±6.7%, 食後投与では17.8±2.4%であった。 2.臨床検討 5%細粒投与群612例及び10%細粒投与群208例のうち有効性評価可能例は594例, 199例であった。 1回投与量は3~6mg/kgを中心に1日3回投与され, 起炎菌検出例は5%細粒428例及び10%細粒159例で, 有効率はそれぞれ94.9%, 96.2%であった。一方, 菌が検出されなかった症例における有効率は89.3%, 95.0%であつた。又, 前薬無効例における有効率は, 5%細粒57例では91.2%, 10%細粒17例では全例有効以上であった。 細菌学的効果の検討では, 5%細粒投与例から491株, 10%細粒投与例から175株が検出され, 消失率はそれぞれ82.1%, 84.0%であった。 副作用は5%細粒608例中24例 (3.9%), 10%細粒206例中12例 (5.8%) に認められた。症状はすべて下痢, 軟便などの消化器症状で, 重篤なものはなかった。 臨床検査値異常は5%細粒, 10%細粒とも好酸球増多, 血小板増多, GOT・GPT上昇などが認められたが, 従来のセフェム系抗生物質と同程度であり, 重篤なものはなかった。 服用性面でも優れ, 服薬忌避例は認あられなかった。 以上から, CFDN細粒は1回3~6mg/kg1日3回投与で小児適応感染症に有用な薬剤であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.44.1168 |