ブデソニド吸入ステロイド懸濁剤の霧化特性における吸入デバイス器差の検討

吸入デバイスにおける器差の検討は十分ではない。ここでは, 気道炎症治療に適応される吸入ステロイド喘息治療剤・ブデソニド吸入用懸濁剤を用いて, ジェット式およびメッシュ式の吸入デバイスにおける霧化特性を測定し器差を実験的に明らかにした。ブデソニドの生理食塩水希釈液での0, 25, 50, 75, 100%ごとに, 吸入デバイスの薬液霧化量を実測した結果, ジェット式ではブデソニド吸入液での霧化量に十分な器差は認められず, また, メッシュ式において, 霧化量は生理食塩水でジェット式とほぼ同等であるものの, ブデソニド吸入液ではジェット式より低い値を示した。一方, 霧化液滴の幾何平均粒子径は, ジ...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 55; no. Supplement1; pp. s65 - s69
Main Authors 高野, 頌, 真鍋, 美智子, 山村, 舞, 竹本, 智, 西田, 潤一, 楠澤, 英夫, 伊藤, 正行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2012
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Summary:吸入デバイスにおける器差の検討は十分ではない。ここでは, 気道炎症治療に適応される吸入ステロイド喘息治療剤・ブデソニド吸入用懸濁剤を用いて, ジェット式およびメッシュ式の吸入デバイスにおける霧化特性を測定し器差を実験的に明らかにした。ブデソニドの生理食塩水希釈液での0, 25, 50, 75, 100%ごとに, 吸入デバイスの薬液霧化量を実測した結果, ジェット式ではブデソニド吸入液での霧化量に十分な器差は認められず, また, メッシュ式において, 霧化量は生理食塩水でジェット式とほぼ同等であるものの, ブデソニド吸入液ではジェット式より低い値を示した。一方, 霧化液滴の幾何平均粒子径は, ジェット式においてブデソニド吸入液で生理食塩水より小さな値を示した。また, メッシュ式において, 吸入デバイスごとの幾何平均粒子径および幾何標準偏差には差異が認められなかった。さらに, ヒト肺五葉モデルにより, 小児 (3~5歳, 10歳) および成人における薬剤の気道局所送達度が評価された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.55.s65