鼻アレルギーにおけるエアロゾル療法の有用性の検討

ステロイドによる局所療法はその有効性により, リリーバーからコントローラーとしての使用が推奨される。ネブライザーによる局所エアロゾル療法は, 全身治療にくらべて有益と思われる。近年メッシュ式ネブライザー装置が開発・市販されている。そこで粒子径が細かく, メッシュ径を変更した鼻用メッシュ式ネブライザー機器を試作することにした。今回, 試作したメッシュ式ネブライザー装置と小型ジェット式ネブライザー装置で吸入療法の有用性を検討した。 対象としたのはスギ花粉症患者10名である。ランダムにジェット式とメッシュ式ネブライザーをもちいて0.1%ベータメタゾン溶液0.4mgを1日2回自宅で吸入させた。2週間の...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 54; no. Supplement1; pp. s43 - s48
Main Authors 大木, 幹文, 山口, 宗太, 大久保, はるか, 石井, 祥子, 櫻井, 秀一郎, 林, 哲彦, 大越, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2011
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Summary:ステロイドによる局所療法はその有効性により, リリーバーからコントローラーとしての使用が推奨される。ネブライザーによる局所エアロゾル療法は, 全身治療にくらべて有益と思われる。近年メッシュ式ネブライザー装置が開発・市販されている。そこで粒子径が細かく, メッシュ径を変更した鼻用メッシュ式ネブライザー機器を試作することにした。今回, 試作したメッシュ式ネブライザー装置と小型ジェット式ネブライザー装置で吸入療法の有用性を検討した。 対象としたのはスギ花粉症患者10名である。ランダムにジェット式とメッシュ式ネブライザーをもちいて0.1%ベータメタゾン溶液0.4mgを1日2回自宅で吸入させた。2週間の観察では両群とも鼻症状は改善を認めたが有意差は認めなかった。 新規に試作したメッシュ式ネブライザー装置は, 局所ステロイドによる鼻アレルギーの治療に有益な方法と考えられる。今後は, 容易な洗浄の方法, 使用しやすい薬液の開発などが一般使用には求められる。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.54.s43