当院における後腹膜鏡下ドナー右腎採取術の検討

【背景】当院ではドナー腎採取術に2019年5月から後腹膜鏡下腎採取術を導入している。それに伴い右腎採取の症例も増加傾向にある。当院での後腹膜鏡下ドナー右腎採取術について短期成績および安全性の検討を行った。【方法】2019年5月~2021年5月までに当施設で行われた後腹膜鏡下腎採取術に関して、手術時間や出血量、入院期間、術後1日目のCRP、術後合併症(ドナーに起因するレシピエントの合併症を含めて)などの短期成績および安全性を右腎採取術と左腎採取術でRetrospectiveに比較検討を行った。【結果】対象期間に行われた後腹膜鏡下腎採取術127例中12.5%にあたる16例が右腎採取術を施行していた...

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Published in移植 Vol. 56; no. Supplement; p. s471
Main Authors 目井, 孝典, 野口, 浩司, 佐藤, 優, 加来, 啓三, 岡部, 安博, 中村, 雅史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
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Summary:【背景】当院ではドナー腎採取術に2019年5月から後腹膜鏡下腎採取術を導入している。それに伴い右腎採取の症例も増加傾向にある。当院での後腹膜鏡下ドナー右腎採取術について短期成績および安全性の検討を行った。【方法】2019年5月~2021年5月までに当施設で行われた後腹膜鏡下腎採取術に関して、手術時間や出血量、入院期間、術後1日目のCRP、術後合併症(ドナーに起因するレシピエントの合併症を含めて)などの短期成績および安全性を右腎採取術と左腎採取術でRetrospectiveに比較検討を行った。【結果】対象期間に行われた後腹膜鏡下腎採取術127例中12.5%にあたる16例が右腎採取術を施行していた。右腎採取術と左腎採取術を比較したところ (以下、右腎:左腎) 手術時間 (分) 243±80 : 226±69 (p =0.361)、出血量 (g) 33±46 : 69±116 (p =0.219)、術後入院期間 (日) 4.6±1.5 : 4.4±1.8 (p =0.617)、術後1日目のCRP (mg/dl) 4.5±1.3 : 4.8±1.5 (p =0.440)と右腎採取、左腎採取で有意差を認めなかった。また、右腎採取、左腎採取共にドナーに起因するレシピエントの合併症を含め、術後合併症を認めなかった。【結論】後腹膜鏡下ドナー右腎採取術は、左腎採取術と比較して短期成績に遜色はなく、安全に施行できていた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.Supplement_s471