産褥1か月の貧血改善を妨げる影響要因

目的:産褥3日目に貧血と診断された褥婦の1か月後の貧血非改善の要因を明らかにする。 方法:産褥3日目に貧血だった褥婦のうち1か月健診時に採血した246人を対象とし,後ろ向き縦断研究を行った。産褥1か月の貧血非改善の有無に対する個人属性,貧血に関する情報,栄養指導内容の遵守,家族形態・支援者,自己管理能力の影響を分析した。 結果:有効回答211人のうち貧血非改善者は45人(21.3%)で,1/5が改善されなかった。多重ロジスティック回帰解析の結果,貧血非改善リスクとして,自己管理スキル尺度の合計得点が1点下降するごとに貧血非改善率は2.5倍(p< .01),非妊時に朝・昼・夕のいずれかを欠食して...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 39; no. 1; pp. 1_19 - 1_31
Main Authors 小檜山, 敦子, 鈴木, 英子, 髙山, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 2016
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Summary:目的:産褥3日目に貧血と診断された褥婦の1か月後の貧血非改善の要因を明らかにする。 方法:産褥3日目に貧血だった褥婦のうち1か月健診時に採血した246人を対象とし,後ろ向き縦断研究を行った。産褥1か月の貧血非改善の有無に対する個人属性,貧血に関する情報,栄養指導内容の遵守,家族形態・支援者,自己管理能力の影響を分析した。 結果:有効回答211人のうち貧血非改善者は45人(21.3%)で,1/5が改善されなかった。多重ロジスティック回帰解析の結果,貧血非改善リスクとして,自己管理スキル尺度の合計得点が1点下降するごとに貧血非改善率は2.5倍(p< .01),非妊時に朝・昼・夕のいずれかを欠食していると279.5倍(p< .01)と強く影響していた。 結論:自己管理能力が低いと貧血非改善の可能性が明らかとなり,妊娠前の欠食は産後の貧血非改善の可能性が高いため,これらを踏まえた指導が必要である。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20151026003