心臓移植登録を見据えた心臓移植実施施設と非実施施設の連携
心臓移植は、重症心不全患者の治療選択肢として認知されるようになってきた。本邦における心臓移植は、深刻なドナー不足により待機期間が3年以上と長期化の一途をたどり、待機患者数は年々増加傾向となっている。植込み型左室補助人工心臓(LVAD)は、長期移植待機の橋渡しに重要な役割を果たしている。LVAD装着後の予後に影響する因子として、臓器障害の進行やINTERMACS profile 1やprofile 2の緊急度が高い状態が報告されており、心不全の経過の中でStage Dへの移行を疑い、病状の進行を見極めて、適切なタイミングで移植申請およびLVAD装着を行うことが非常に重要である。当院心臓移植適応検...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s424 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2021
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.56.Supplement_s424 |
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Summary: | 心臓移植は、重症心不全患者の治療選択肢として認知されるようになってきた。本邦における心臓移植は、深刻なドナー不足により待機期間が3年以上と長期化の一途をたどり、待機患者数は年々増加傾向となっている。植込み型左室補助人工心臓(LVAD)は、長期移植待機の橋渡しに重要な役割を果たしている。LVAD装着後の予後に影響する因子として、臓器障害の進行やINTERMACS profile 1やprofile 2の緊急度が高い状態が報告されており、心不全の経過の中でStage Dへの移行を疑い、病状の進行を見極めて、適切なタイミングで移植申請およびLVAD装着を行うことが非常に重要である。当院心臓移植適応検討委員会において適応判定を実施した重症心不全症例(282例)において、移植適応検討の時点でVADやIABPなどの補助循環を使用している症例は、経年的に減少を認めている。直近の4年間(2017-2020年)の検討症例において、補助循環使用は87例中17例(19%)で、約30%の症例がStatus 2での適応申請であった。今回、当院における移植適応検討症例レシピエントシートのデータから適応検討に至る経過や申請時の病状を検討し、重症心不全症例における適切なタイミングでの移植適応申請につながる心臓移植非実施施設との連携体制について議論したい。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.56.Supplement_s424 |