職域コホート男性における血清レプチン濃度と生活習慣との関連

生活習慣により血清レプチン濃度が異なるかを検討するために、Breslowらの7つの健康習慣 (身体活動、睡眠、飲酒、喫煙、朝食の摂取、間食、肥満の有無) に精神的ストレスを加えた8項目の生活習慣と血清レプチン濃度との関連を検討した。対象者は1997年に愛知県内の某2職域集団に属する40歳から59歳の男性2,224人である。レプチン濃度 (幾何平均 : 2.94ng/m1) は年齢、職域、肥満度 (BMI値) の違いにより著明な差が認められた。これらを調整したレプチン濃度推定値は、身体活動度 (活動的-非活動的な群 : 2.53-2.99ng/ml) 、喫煙習慣 (喫煙24本以上/日一禁煙 :...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本循環器病予防学会誌 Vol. 40; no. 2; pp. 123 - 130
Main Authors 村田, 千代栄, 大塚, 礼, 八谷, 寛, 堀, 容子, 玉腰, 浩司, 豊嶋, 英明, 張, 恵明, 和田, 恵子, 近藤, 高明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本循環器管理研究協議会 30.04.2005
日本循環器管理研究協議会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-6267
DOI10.11381/jjcdp2001.40.123

Cover

More Information
Summary:生活習慣により血清レプチン濃度が異なるかを検討するために、Breslowらの7つの健康習慣 (身体活動、睡眠、飲酒、喫煙、朝食の摂取、間食、肥満の有無) に精神的ストレスを加えた8項目の生活習慣と血清レプチン濃度との関連を検討した。対象者は1997年に愛知県内の某2職域集団に属する40歳から59歳の男性2,224人である。レプチン濃度 (幾何平均 : 2.94ng/m1) は年齢、職域、肥満度 (BMI値) の違いにより著明な差が認められた。これらを調整したレプチン濃度推定値は、身体活動度 (活動的-非活動的な群 : 2.53-2.99ng/ml) 、喫煙習慣 (喫煙24本以上/日一禁煙 : 2.83-3.07ng/ml) 、朝食の摂取頻度 (ほぼ毎日-週2回以下 : 2.91-3.27ng/ml) 、日ごろのストレス (少ない一かなり多い : 2.73-3.00ng/ml) により有意に異なり (p<0.05、ANC0VA) 、各指標の段階的変化に伴って濃度は変化した (p<0.05、傾向性の検定) 。なお、飲酒量の違いによるレプチン推定値の差は境界有意にとどまったが (p=0.053、ANCOVA) 、飲酒量増加に伴う上昇傾向は有意であった (エタノール摂取量0g/日-46g以上/日 : 2.86-3.01ng/ml、p<0.05、傾向性の検定) 。レプチン濃度には蓄積脂肪量のみでなく、身体活動量、飲酒習慣、喫煙習慣、朝食の摂取頻度に加え、日ごろのストレスも影響を与えている可能性が示唆された。
ISSN:1346-6267
DOI:10.11381/jjcdp2001.40.123