医療用漢方エキス製剤に関する研究 医療用葛根湯エキス製剤及び小青竜湯エキス製剤中の有効成分含有量

「緒言」医療用漢方エキス製剤の使用量は年々増加の傾向にあり, その適応疾患も拡大の傾向を示している. それに伴いエキス製剤中の有効成分の薬理活性や体内動態等について多くの報告がなされている. また, 製剤中の指標成分の含有量等を測定し, 品質管理面からも検討がなされている1-4). 一方, 最近指標成分以外の有効成分についてもその薬理作用が重要視されつつある. しかしながら, 製剤中の有効成分の含有量等については詳細に検討されていないのが現状である. 西洋薬とは異なり漢方エキス製剤に使用される生薬は天然物であるため, 含有する成分の量は産地および保存状態等により異なることが知られている5-8)...

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Published in病院薬学 Vol. 22; no. 5; pp. 473 - 481
Main Authors 西岡, 豊, 京谷, 庄二郎, 宮村, 充彦, 小野, 正英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 1996
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.22.473

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Summary:「緒言」医療用漢方エキス製剤の使用量は年々増加の傾向にあり, その適応疾患も拡大の傾向を示している. それに伴いエキス製剤中の有効成分の薬理活性や体内動態等について多くの報告がなされている. また, 製剤中の指標成分の含有量等を測定し, 品質管理面からも検討がなされている1-4). 一方, 最近指標成分以外の有効成分についてもその薬理作用が重要視されつつある. しかしながら, 製剤中の有効成分の含有量等については詳細に検討されていないのが現状である. 西洋薬とは異なり漢方エキス製剤に使用される生薬は天然物であるため, 含有する成分の量は産地および保存状態等により異なることが知られている5-8). また, 同じ製剤であってもエキスの抽出方法あるいは製造方法により, 含有する成分の量に差が認められることが知られている9-12). そのため各社製剤間およびロット間により, 指標成分および有効成分の含有量に差が生じることが考えられる. 山崎ら3,4)および著者ら13)が前報において報告したように, 市販医療用漢方エキス製剤中の指標成分の含有量は, 各社製剤間に大きな差が認められ, 漢方製剤の品質管理に問題があることが認められた.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.22.473