初妊婦および3~4か月児・保育園児の母親の抑うつと関連要因
目的:地域母子保健において,少子化や核家族化に伴う乳幼児の母親のメンタルヘルスの向上を支援する体制づくりが課題となっている.欧米の文献では,母親の抑うつは母子相互作用を妨げ,子どもの心の発達に影響を及ぼすことが指摘され,その関連要因について検討されているが,わが国ではこれらの検討が極めて少ない.そこで,初妊婦・3〜4か月児・保育園児の母親を対象に抑うつ状態とその関連要因について検討した.方法:埼玉県都市部のU市の母親学級に参加した初妊婦33名,K市保健センターの3〜4か月児健診に来所した母親57名,K市立S保育園における1〜5歳児の保護者会に参加した母親49名,計139名に,Zung自己評価式...
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Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 115 - 122 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2001
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Subjects | |
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Summary: | 目的:地域母子保健において,少子化や核家族化に伴う乳幼児の母親のメンタルヘルスの向上を支援する体制づくりが課題となっている.欧米の文献では,母親の抑うつは母子相互作用を妨げ,子どもの心の発達に影響を及ぼすことが指摘され,その関連要因について検討されているが,わが国ではこれらの検討が極めて少ない.そこで,初妊婦・3〜4か月児・保育園児の母親を対象に抑うつ状態とその関連要因について検討した.方法:埼玉県都市部のU市の母親学級に参加した初妊婦33名,K市保健センターの3〜4か月児健診に来所した母親57名,K市立S保育園における1〜5歳児の保護者会に参加した母親49名,計139名に,Zung自己評価式抑うつ尺度・健康生活習慣・育児に関する憂慮・育児意識・夫との関係の満足度・ソーシャルサポート・属性に関する自記式質問紙調査を実施した.まず,χ2検定または一元配置分散分析によって上記の各項目を3群間で比較し,つぎにPearson積率相関係数と一元配置分散分析によって,抑うつとこれらの要因の関連性を分析した.結果:(1)平均抑うつ得点は,初妊婦39.9点,3〜4か月児の母親39.1点,保育園児の母親39.0点,軽度抑うつ(40〜47点)・中等度(48〜55点)または重度抑うつ(56点以上)の割合は,各々初妊婦42.4%・9,1%,3〜4か月児の母親31.6%・14.0%,保育園児の母親27.7%・8.5%で,3群間に差はみられず,3歳児の母親で測定した結果やわが国における新生児や乳児の母親・看護学生・地域の一般成人女子における成績とも同程度のレベルであった.(2)初妊婦では健康生活習慣と夫婦関係の2要因が,3〜4か月児の母親では5要因すべてが,保育園児の母親では育児意識・夫婦関係の満足度・ソーシャルサポートの3要因が関連しており,各群に差異がみられた.(3)わが国の地域母子保健における子育て支援事業について,母親の抑うつを軽減する視点から,周囲の人々とりわけ夫からの情緒的サポートを強化する看護支援が重要と考える. |
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ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.3.1_115 |