繊毛虫コルポーダ休眠シストのガンマ線耐性と傷害後の細胞修復

本総説で取り上げる繊毛虫コルポーダ・ククルス(Colpoda cucullus)は,劣悪な環境ストレスに対する適応戦略として休眠シストを形成する。その過程では,細胞は自らの細胞構造を解体して休眠型に再構築することで,強い環境ストレス耐性を獲得する。近年我々は,コルポーダ・ククルスの休眠シストが強いガンマ線耐性をもち,休眠シストにおいて細胞の傷害が積極的に修復されていることを明らかにした。本総説では,コルポーダ・ククルスの休眠シストについて,特にそのガンマ線耐性と傷害後の細胞修復を中心に紹介する。...

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Published in比較生理生化学 Vol. 41; no. 1; pp. 44 - 52
Main Authors 十亀, 陽一郎, 齊藤, 瞭汰, 箱﨑, 惇太朗, 山野邊, 裕樹, 齋藤, 剛瑠, 矢吹, 一真, 齊藤, 優汰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本比較生理生化学会 03.04.2024
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Summary:本総説で取り上げる繊毛虫コルポーダ・ククルス(Colpoda cucullus)は,劣悪な環境ストレスに対する適応戦略として休眠シストを形成する。その過程では,細胞は自らの細胞構造を解体して休眠型に再構築することで,強い環境ストレス耐性を獲得する。近年我々は,コルポーダ・ククルスの休眠シストが強いガンマ線耐性をもち,休眠シストにおいて細胞の傷害が積極的に修復されていることを明らかにした。本総説では,コルポーダ・ククルスの休眠シストについて,特にそのガンマ線耐性と傷害後の細胞修復を中心に紹介する。
ISSN:0916-3786
1881-9346
DOI:10.3330/hikakuseiriseika.41.44