MTT assayを用いた抗癌剤感受性試験のヒト肺癌細胞に対する検討

「はじめに」肺癌は癌死に占めるその割合が第1位であり, 臨床的にもっとも注目すべき疾患の一つである. 肺癌はその生物学的特性と化学療法に対する反応性から, 小細胞肺癌(small cell lungcancer:SCLC)とそれ以外の組織型を一括した非小細胞肺癌(non-small cell lungcancer:NSCLC)とに分けて考えられている. 前者は進展が極めて早いが抗癌剤によく反応し, 一方, 後者では化学療法の効果はいまだ十分とはいえない. そこで我々は特にNSCLCのヒト肺癌細胞に対し, MTT assayを用い臨床において繁用される6薬剤(CDDP, CBDCA, MMC,...

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Published in病院薬学 Vol. 22; no. 4; pp. 380 - 389
Main Authors 中尾, 俊也, 吉村, 知哲, 栗田, 睦子, 渡辺, 志乃, 小林, 譲司, 山崎, 太, 進藤, 丈, 町田, 和也, 角田, 俊昭, 堀場, 通明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 10.08.1996
日本病院薬学会
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Summary:「はじめに」肺癌は癌死に占めるその割合が第1位であり, 臨床的にもっとも注目すべき疾患の一つである. 肺癌はその生物学的特性と化学療法に対する反応性から, 小細胞肺癌(small cell lungcancer:SCLC)とそれ以外の組織型を一括した非小細胞肺癌(non-small cell lungcancer:NSCLC)とに分けて考えられている. 前者は進展が極めて早いが抗癌剤によく反応し, 一方, 後者では化学療法の効果はいまだ十分とはいえない. そこで我々は特にNSCLCのヒト肺癌細胞に対し, MTT assayを用い臨床において繁用される6薬剤(CDDP, CBDCA, MMC, ADM, VP-16, VDS)および新規抗癌剤CPT-11の活性代謝物であるSN-38に対するin vitro感受性について検討した. 実験の部 1. 試料 RPMI1640培地(pH7.1~7.4)およびPBS(-)[pH7.3~7.65]は日水製薬(株), ウシ胎児血清(FCS)はGibco(株), collagenase type IAおよびdeoxyribonuclease IはSigma(株), MTT〔3-(4,5-dimethylthiazol-2-y1)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide〕およびdimethyl sulfoxide(DMSO)〔紫外部吸収スペクトル用純溶媒〕は和光純薬工業(株)を用いた.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.22.380