人工炭酸泉浴 (花王バブ浴) による本態性高血圧症の血圧、循環機能の変化

• Published in: 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 50; no. 2; pp. 87 - 93
• Main Authors: 川平, 和美, 日吉, 俊紀, 田中, 信行, 竹迫, 賢一
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1987; 日本温泉気候物理医学会
• Subjects: 人工炭酸泉浴; 末梢血管抵抗; 本態性高血圧症; 血圧; 血液ガス
• ISSN: 0029-0343; 1884-3697
• DOI: 10.11390/onki1962.50.87

炭酸泉はそのすぐれた末梢血管拡張作用により, 欧米では古くから種々の末梢循環障害や高血圧, 心疾患の治療に賞用されてきた1)-11). より日常的利用のために, 炭酸ガスボンベによる直接的ガス浴8)や炭酸ガス通水法, あるいは炭酸塩と酸の混合8)による人工炭酸泉の作成が試みられたが, なお簡便性, 経済性の面で多くの問題があった. 花王株式会社の萬, 江口ら18)19)の開発した炭酸ナトリウム:塩とコハク酸合剤の花王パブ錠は, いつでも, どこでも炭酸泉浴を可能にした点で最もすぐれたものである. しかし本剤の通常使用量で得られる炭酸ガス濃度は, 従来炭酸泉の効果として報告されたものに比し比較的低濃度であり19), その実際的効果については慎重に検討すべきである. われわれは花王バブ浴による健常者および本態性高血圧症における循環動態の変化を当院単純泉22)23)と比較し, 有意の降圧と循環促進作用を認めたので報告する.