互助制度の課題と移植外科医の働き方を考える
2024年4月から医師の時間外労働規則が開始され、当院では時短計画案の作成や医療機関勤務環境評価センターによる第三者機関審査の準備を開始している。当科でも医師の働き方改革を開始したが、移植外科医がどのように働き方を変える必要があるかを検討した。 2021年6月時点で臨床勤務している医師が20名在籍しており、手術、病棟・外来診療を担っている。手術件数は昨年度年間約350件で高難度肝胆膵手術が約200件(うち肝移植約40件)を行っている。また緊急手術や肝移植後の術後管理にも勤務時間を割くことが多い。当科での働き方改革として取り組んでいることは、①当直翌日は午後から休息、②脳死ドナー摘出後は翌日まで...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s182 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2021
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.56.Supplement_s182 |
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Summary: | 2024年4月から医師の時間外労働規則が開始され、当院では時短計画案の作成や医療機関勤務環境評価センターによる第三者機関審査の準備を開始している。当科でも医師の働き方改革を開始したが、移植外科医がどのように働き方を変える必要があるかを検討した。 2021年6月時点で臨床勤務している医師が20名在籍しており、手術、病棟・外来診療を担っている。手術件数は昨年度年間約350件で高難度肝胆膵手術が約200件(うち肝移植約40件)を行っている。また緊急手術や肝移植後の術後管理にも勤務時間を割くことが多い。当科での働き方改革として取り組んでいることは、①当直翌日は午後から休息、②脳死ドナー摘出後は翌日まで休息、③人員配置や業務内容の見直し、タスクシフトなどを開始している。しかし、高難度手術は肝胆膵高度技能医の件数に入り外科には手術件数も確保しなければならない。 私は、脳死・心停止下リカバリー環境改善委員会委員として参画し、臓器摘出の互助制度を検討し、当科でも制度を利用している。互助制度では、派遣医師の人数を減らし負担を減らすことができており、有効利用できると考えている。しかし、医師の労働費、ドナー臓器摘出料の費用配分や手術器械・消耗品の費用配分など、まだまだ不確実な部分も多く、きちんとした制度設計ができていない。今回の検討では当科での移植に携わる外科医の働き方改革の取り組みと、互助制度の課題や解決方法を述べる。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.56.Supplement_s182 |