病院薬剤師業務のさらなる展開に向けて 外来乳癌患者における副作用自己モニタリングの試み
「緒言」 近年, 5-HT3受容体拮抗薬(5-HT3拮抗薬)の開発や顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)の製剤化等, 支持療法の進歩から, より安全な癌化学療法の施行が可能となってきた. これに伴い, 従来入院治療が原則であった癌化学療法は, 患者の病態によっては外来通院での施行も可能となり, 治療効果に加え, 患者のquality of life(QOL)改善も期待できることとなった1, 2). 我々はさきに当院外科外来患者における癌化学療法の副作用について調査したところ, それらは概ね軽微なものであった. しかしシクロホスファミド(CPA), アドリアマイシン(ADR)および5-フルオ...
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Published in | 医療薬学 Vol. 27; no. 3; pp. 275 - 281 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.06.2001
日本医療薬学会 |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.27.275 |
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Summary: | 「緒言」 近年, 5-HT3受容体拮抗薬(5-HT3拮抗薬)の開発や顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)の製剤化等, 支持療法の進歩から, より安全な癌化学療法の施行が可能となってきた. これに伴い, 従来入院治療が原則であった癌化学療法は, 患者の病態によっては外来通院での施行も可能となり, 治療効果に加え, 患者のquality of life(QOL)改善も期待できることとなった1, 2). 我々はさきに当院外科外来患者における癌化学療法の副作用について調査したところ, それらは概ね軽微なものであった. しかしシクロホスファミド(CPA), アドリアマイシン(ADR)および5-フルオロウラシル(5-FU)の3剤併用, すなわちCAF療法3, 4)を施行された一部の乳癌患者で, 日本癌治療学会薬物有害反応判定基準5)のgrade3に分類される副作用がみられた. 一方, 外来通院における癌化学療法およびその副作用に関する報告は他の医療従事者においては散見される6)ものの, 薬剤師からの報告は少ない. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.27.275 |