腎移植合併症時の免疫抑制剤の対処法

免疫抑制剤の新たな開発や臨床応用は短期的な移植腎生着率を劇的な改善に導いた。1年生着率は95%以上にも及ぶ一方で長期生着率の成績は今昔さほど変わりはない。現在用いられている維持免疫抑制剤はカルシニューリンインヒビター(CNI)、代謝拮抗薬そしてステロイドなどである。2000年来の前2者の移植市場への登場は前述のとおり急性拒絶反応を減少させ、併用するステロイドの使用量を激減させることも可能となり移植患者のQOLを向上させた。その一方でCMV、BKなどのウイルス感染症を中心とした移植後合併症は移植臓器のみならず、時に生命にとっても致命傷となり適切な対応が必要である。このセッションでは、当科で経験し...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s177
Main Authors 海上, 耕平, 石田, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.Supplement_s177

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Summary:免疫抑制剤の新たな開発や臨床応用は短期的な移植腎生着率を劇的な改善に導いた。1年生着率は95%以上にも及ぶ一方で長期生着率の成績は今昔さほど変わりはない。現在用いられている維持免疫抑制剤はカルシニューリンインヒビター(CNI)、代謝拮抗薬そしてステロイドなどである。2000年来の前2者の移植市場への登場は前述のとおり急性拒絶反応を減少させ、併用するステロイドの使用量を激減させることも可能となり移植患者のQOLを向上させた。その一方でCMV、BKなどのウイルス感染症を中心とした移植後合併症は移植臓器のみならず、時に生命にとっても致命傷となり適切な対応が必要である。このセッションでは、当科で経験したさまざまな移植後合併症に対する免疫抑制剤の対処法について論じてみたい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.Supplement_s177