経皮的腎尿管結石摘出術

最近我々は経皮的に尿路結石を摘出する新しい方法を18名の患者に対して施行し, 17例で特に問題なく結石の摘出を成功させている. 方法は, 従来の経皮的超音波穿刺術によつて, 穿刺針を腎盂内へ刺入し, 拡張器によつて, 徐々に腎瘻を拡張していく. 内視鏡が挿入できる太さまで拡張したならば, 続いて内視鏡を腎盂内へ誘導し摘出術を行なう. 結石は, 内視鏡の鉗子孔を通して結石に到達させたバスケットカテーテルあるいは把持鉗子によつて, 直視下またはレントゲン透視下に捕獲され摘出される. 尿路結石症に対するこの比較的非侵襲的な治療法は多くの利点をもつており, 現状でも多くの症例に応用可能であるが, 内視...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 74; no. 10; pp. 1758 - 1764
Main Authors 千葉, 裕, 棚橋, 善克, 桑原, 正明, 原田, 一哉, 豊田, 精一, 沼田, 功, 前原, 郁夫, 折笠, 精一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 1983
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Summary:最近我々は経皮的に尿路結石を摘出する新しい方法を18名の患者に対して施行し, 17例で特に問題なく結石の摘出を成功させている. 方法は, 従来の経皮的超音波穿刺術によつて, 穿刺針を腎盂内へ刺入し, 拡張器によつて, 徐々に腎瘻を拡張していく. 内視鏡が挿入できる太さまで拡張したならば, 続いて内視鏡を腎盂内へ誘導し摘出術を行なう. 結石は, 内視鏡の鉗子孔を通して結石に到達させたバスケットカテーテルあるいは把持鉗子によつて, 直視下またはレントゲン透視下に捕獲され摘出される. 尿路結石症に対するこの比較的非侵襲的な治療法は多くの利点をもつており, 現状でも多くの症例に応用可能であるが, 内視鏡や把持鉗子類の改善によりその適応は更に末梢の腎杯まで拡がると思われる.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.74.10_1758