老人性肺炎に対するsulbactam/ampicillinとcefotiamの臨床効果及び安全性の比較
sulbactam/ampicillin (以下, SBT/ABPCとする) の老人性肺炎に対する有効性, 安全性を評価する目的で, ce飴tiam (以下, CTMとする) を対照薬として封筒法による群間比較試験を実施した。SBT/ABPCは1回3.0g1日2回, CTMは1回1.0g1日2回, いずれも7~14日間点滴静注投与を原則とした。 九州地区13施設, 合計68例の老人性肺炎患者での検討結果は以下のとおりであった。 1. 安全性検討対象症例は68例でSBT/ABPC群37例, CTM群31例であった。有効性の解析対象症例は50例でSBT/ABPC群27例, CTM群23例であり,...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 51; no. 12; pp. 746 - 758 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.12.1998
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Summary: | sulbactam/ampicillin (以下, SBT/ABPCとする) の老人性肺炎に対する有効性, 安全性を評価する目的で, ce飴tiam (以下, CTMとする) を対照薬として封筒法による群間比較試験を実施した。SBT/ABPCは1回3.0g1日2回, CTMは1回1.0g1日2回, いずれも7~14日間点滴静注投与を原則とした。 九州地区13施設, 合計68例の老人性肺炎患者での検討結果は以下のとおりであった。 1. 安全性検討対象症例は68例でSBT/ABPC群37例, CTM群31例であった。有効性の解析対象症例は50例でSBT/ABPC群27例, CTM群23例であり, 両薬剤群問の背景因子に偏りは認められなかった。 2. SBT/ABPC群の有効率は96.3% (26例/27例) であり, CTM群の73.9% (17例/23例) に比較して有意に優れていた (Fisher: p<0.05)。 3. 細菌学的効果は, SBT/ABPC群は10例全例, CTM群は4例全例が消失であった。 4. SBT/ABPC群及びCTM群において副作用は認められなかった。 5.臨床検査値異常変動は, SBT/ABPC群で37例中4例 (10.8%) に認められ, それらは軽度のGOT上昇, GPT上昇, A1-P上昇であった。CTM群では31例中1例 (3.2%) に認められ, 軽度の血小板増多であった。両群問の発現率に有意な差は認められなかった。 以上の成績より, 老人性肺炎に対してSBT/ABPCはCTMに優る有効率が示され, 副作用及び臨床検査値異常変動の発現率に差は認められず老人性肺炎に対して高い有用性が期待される薬剤であることが示された。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.51.746 |