産婦人科領域におけるCefuzonamの基礎的, 臨床的検討

新しく開発された半合成Cephem系抗生物質Cefuzonam (CZON, L-105) について, 産婦人科領域における, 体内動態及び臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。 1.CZON1gを60分にて点滴静注し, 点滴終了後40~190分の肘静脈血清中, 子宮動脈血清中, 性器組織内濃度を測定した。肘静脈血清中濃度に対する性器組織内濃度の比は, 多くの揚合0.5~1.5と比較的良好な組織移行性を示し, 産婦人科領域感染症における一般的な起炎菌の多くに対するMICを上回る成績であつた。 2.臨床的には, 産婦人科領域感染症8例に, 1日2~49を点滴静注にて使用し, 62.5% (5例/...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 40; no. 5; pp. 1001 - 1006
Main Authors 清水, 洋, 山澤, 功二, 小林, 総介, 高見澤, 裕吉, 松井, 英雄, 山賀, 明弘, 加藤, 喜市, 鈴木, 三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1987
Online AccessGet full text
ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.40.1001

Cover

More Information
Summary:新しく開発された半合成Cephem系抗生物質Cefuzonam (CZON, L-105) について, 産婦人科領域における, 体内動態及び臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。 1.CZON1gを60分にて点滴静注し, 点滴終了後40~190分の肘静脈血清中, 子宮動脈血清中, 性器組織内濃度を測定した。肘静脈血清中濃度に対する性器組織内濃度の比は, 多くの揚合0.5~1.5と比較的良好な組織移行性を示し, 産婦人科領域感染症における一般的な起炎菌の多くに対するMICを上回る成績であつた。 2.臨床的には, 産婦人科領域感染症8例に, 1日2~49を点滴静注にて使用し, 62.5% (5例/8例) の有効率が得られた。一方, 本剤に起因すると考えられる自他覚的副作用及び臨床検査値異常例は1例も認められなかつた。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.40.1001