膀胱瘻による持続潅流式経尿道的前立腺切除術
Trocar を用いた恥骨上膀胱瘻による持続潅流式経尿道的前立腺切除 (TURP) を working element を抜いて膀胱内潅流液を排液する従来のTURPと比較検討した. 対象は1984年10月から1985年12月までに行われた持続潅流式TURP50例と従来のTURPの19例とした. 単位重量当たりの手術時間は持続潅流式TURPで2.5分/g, 従来のTURPで3.2分/gであり, 持続潅流式TURPの方が有意に短縮された. 切除重量30g以上では, 持続潅流式TURPが従来のTURPに比し, 出血量が多い傾向にあった. 術後の血清Na値の低下は, 従来のTURPの方が著明で, 潅流...
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Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 78; no. 11; pp. 1958 - 1964 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
1987
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Summary: | Trocar を用いた恥骨上膀胱瘻による持続潅流式経尿道的前立腺切除 (TURP) を working element を抜いて膀胱内潅流液を排液する従来のTURPと比較検討した. 対象は1984年10月から1985年12月までに行われた持続潅流式TURP50例と従来のTURPの19例とした. 単位重量当たりの手術時間は持続潅流式TURPで2.5分/g, 従来のTURPで3.2分/gであり, 持続潅流式TURPの方が有意に短縮された. 切除重量30g以上では, 持続潅流式TURPが従来のTURPに比し, 出血量が多い傾向にあった. 術後の血清Na値の低下は, 従来のTURPの方が著明で, 潅流液吸収が持続潅流式TURPに比べ多いと考えられ, この傾向は, 切除重量30g以上の比較的大きい腺腫の場合でより一層明らかであった. 術中膀胱内圧は, 持続潅流式TURPは0~8cmH2Oと低く保たれたが, 従来のTURPの場合は0~81cmH2Oとなった. 以上より, 膀胱瘻による持続潅流式TURPは, 大きな腺腫の場合には, 従来のTURPに比べ出血量が多い傾向にあるが, 手術時間が短縮され, 膀胱内圧を骨盤内静脈圧より低く保つことができるため, 潅流液吸収が少ないなどの優れた利点をもち, かつ視野が明瞭で, 視野を見失うことなく連続的に手術を行うことができるなどの点から, 広く勧められるべき方法と考えられる. |
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ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.78.11_1958 |