T-2588のラット経口投与による聴器毒性試験

従来アミノ配糖体系抗生物質やポリペプチド系抗生物質には臨床的に副作用として難聴, 耳鳴などのような聴覚障害やめまい, 眼振などのような平衡機能障害のあることが知られており1~3), いくつかの薬剤については, 動物実験においても聴覚障害や平衡覚障害が確認されている1~3)。しかし, ペニシリン系抗生物質やセファロスポリン系抗生物質では, 実験動物に対して聴器障害を及ぼすという報告はなされていない4~8)。 今回, 新規セフェム系経口抗生物質であるT-2588の毒性試験の一環として, T-2588のラット聴器に及ぼす影響について周波数別耳介反射試験及び立ち直り反射試験, 更に内耳の病理組織学的検...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 39; no. 9; pp. 2324 - 2343
Main Authors 永井, 章夫, 米田, 豊昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1986
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Summary:従来アミノ配糖体系抗生物質やポリペプチド系抗生物質には臨床的に副作用として難聴, 耳鳴などのような聴覚障害やめまい, 眼振などのような平衡機能障害のあることが知られており1~3), いくつかの薬剤については, 動物実験においても聴覚障害や平衡覚障害が確認されている1~3)。しかし, ペニシリン系抗生物質やセファロスポリン系抗生物質では, 実験動物に対して聴器障害を及ぼすという報告はなされていない4~8)。 今回, 新規セフェム系経口抗生物質であるT-2588の毒性試験の一環として, T-2588のラット聴器に及ぼす影響について周波数別耳介反射試験及び立ち直り反射試験, 更に内耳の病理組織学的検査により検討したので報告する。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.39.2324