腹腔鏡下虫垂切除術に対するReduced port surgery 整容性と器材の簡便性を重視した2 port法
腹腔鏡下虫垂切除術 (LA) は3 portが標準術式であるが,近年,単孔式LAを導入する施設が増えている.しかし,単孔式LAは臍部切開が大きくなるため,当院では臍部に12mm,恥骨上右下腹部に5mmの2 port法を導入し,小児や若年女性を中心にこれまで9例に対して施行した.治療成績 (手術時間,出血量,術後合併症,術後在院日数) を,同時期に施行した3 port法9例と比較した.その結果,治療成績に遜色はなかった.全症例で,臍部の創は臍の窪みを頭側に越えることがなく,恥骨上の創も下着の中に隠れ,整容性に優れた.また,専用器材を用いる単孔式LAに比べて低コストであった.2 port法は特に小...
Saved in:
Published in | 昭和学士会雑誌 Vol. 76; no. 1; pp. 52 - 58 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
01.02.2016
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2187-719X 2188-529X |
DOI | 10.14930/jshowaunivsoc.76.52 |
Cover
Summary: | 腹腔鏡下虫垂切除術 (LA) は3 portが標準術式であるが,近年,単孔式LAを導入する施設が増えている.しかし,単孔式LAは臍部切開が大きくなるため,当院では臍部に12mm,恥骨上右下腹部に5mmの2 port法を導入し,小児や若年女性を中心にこれまで9例に対して施行した.治療成績 (手術時間,出血量,術後合併症,術後在院日数) を,同時期に施行した3 port法9例と比較した.その結果,治療成績に遜色はなかった.全症例で,臍部の創は臍の窪みを頭側に越えることがなく,恥骨上の創も下着の中に隠れ,整容性に優れた.また,専用器材を用いる単孔式LAに比べて低コストであった.2 port法は特に小児や若年女性において,整容性に優れ,器材簡便性のある手技であると考えられる. |
---|---|
ISSN: | 2187-719X 2188-529X |
DOI: | 10.14930/jshowaunivsoc.76.52 |