医薬品アレルギーとヒスタミン 医薬品添加物カルボキシメチルセルロースナトリウムによるアレルギー反応に関する研究

「はじめに」 ヒスタミンは哺乳動物のほとんどすべての組織に存在する生理活性アミンであり, 特に皮膚, 肺, 消化管などに高濃度含有されている. ヒスタミンは1907年にWindausとVogtによって化学合成され, 1910年にDaleとLaidlawによるヒスタミンの薬理作用に関する研究が報告されて以来, 多くの研究者によりアレルギーやアナフィラキシー反応, 炎症, 胃酸分泌などにおけるヒスタミンの極めて重要な生理作用が解明されてきた. 1937年に最初の効果的ヒスタミン受容体拮抗薬がBovetとStaubにより合成され, その後, メピラミン, ジフェンヒドラミン, トリペレナミンなど多く...

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Published in医療薬学 Vol. 27; no. 2; pp. 93 - 104
Main Author 室井, 延之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.04.2001
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.27.93

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Summary:「はじめに」 ヒスタミンは哺乳動物のほとんどすべての組織に存在する生理活性アミンであり, 特に皮膚, 肺, 消化管などに高濃度含有されている. ヒスタミンは1907年にWindausとVogtによって化学合成され, 1910年にDaleとLaidlawによるヒスタミンの薬理作用に関する研究が報告されて以来, 多くの研究者によりアレルギーやアナフィラキシー反応, 炎症, 胃酸分泌などにおけるヒスタミンの極めて重要な生理作用が解明されてきた. 1937年に最初の効果的ヒスタミン受容体拮抗薬がBovetとStaubにより合成され, その後, メピラミン, ジフェンヒドラミン, トリペレナミンなど多くの抗ヒスタミン薬が開発され, アレルギー疾患の治療に繁用されることとなった. 1966年AshとSchildは抗ヒスタミン薬で拮抗されるヒスタミンの作用(腸管収縮, 気管支収縮など)を媒介する受容体をH1受容体と命名した. また, 1972年Blackらが従来の抗ヒスタミン薬では拮抗されなかったヒスタミンの作用(胃酸分泌亢進, 摘出モルモット心房の陽性変時作用など)を特異的に拮抗するブリマミドを報告し, これらの反応を媒介する受容体をH2受容体と命名した.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.27.93