慢性白血球減少症を有する15歳男児に生じた顎下腺導管内唾石症の1例

緒言 慢性白血球減少症は慢性的に白血球数が4000/μl以下の状態を言い, 特に好中球数1000/μlでは易感染性で, 500/μl以下では重篤な感染症をきたしやすい1). その発症原因により治療法は異なるが, 一般的には感染症に対する対策が治療の主体となっている. しかし様々な外科的侵襲や外傷などによって感染の危険性は大きく, このため強力な抗生剤の投与や白血球, 特に好中球の増加などの予防対策を考えねばならない. 今回われわれは通常の白血球数1000/μl以下で好中球数500/μl前後の若年の慢性白血球減少症患者に生じた右側顎下腺唾石症に唾石摘出術を施行し, 良好な結果を得たので報告する....

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Published in小児口腔外科 Vol. 10; no. 2; pp. 115 - 119
Main Authors 後藤, 有里, 千葉, 博茂, 玉繁, 雅之, 松田, 憲一, 伊能, 智明, 後藤, 乙彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.12.2000
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.10.115

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Summary:緒言 慢性白血球減少症は慢性的に白血球数が4000/μl以下の状態を言い, 特に好中球数1000/μlでは易感染性で, 500/μl以下では重篤な感染症をきたしやすい1). その発症原因により治療法は異なるが, 一般的には感染症に対する対策が治療の主体となっている. しかし様々な外科的侵襲や外傷などによって感染の危険性は大きく, このため強力な抗生剤の投与や白血球, 特に好中球の増加などの予防対策を考えねばならない. 今回われわれは通常の白血球数1000/μl以下で好中球数500/μl前後の若年の慢性白血球減少症患者に生じた右側顎下腺唾石症に唾石摘出術を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例 患者:15歳, 男児. 初診:平成8年7月30日. 主訴:右側顎下部腫脹. 家族歴:特記事項なし.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.10.115