図画工作科に対する教科観の相違と教員養成の果たす役割 : 20歳代と50歳代の現職教員対象の聞き取り調査をもとに
本研究は,公立小学校において構成人数の多い20歳代と50歳代の教員に対して図画工作科に関する聞き取り調査を行い,世代間における教科観の相違点と一致点をSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析し,教員養成の果たす役割について考察したものである。その結果,他教科の研修の積み重ねの量の違いが相違点として挙げられる一方,一致点として,図画工作科の授業研究校の指定を受けて共同で研修を積んだことで,この教科に対する教科観を前者は再確認し,後者は変換させていること等が挙げられた。今後,小学校における図画工作科指導の充実を図るために,現職教員に対しても,教員免...
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Published in | 美術教育学:美術科教育学会誌 Vol. 36; pp. 223 - 238 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
美術科教育学会
2015
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Summary: | 本研究は,公立小学校において構成人数の多い20歳代と50歳代の教員に対して図画工作科に関する聞き取り調査を行い,世代間における教科観の相違点と一致点をSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析し,教員養成の果たす役割について考察したものである。その結果,他教科の研修の積み重ねの量の違いが相違点として挙げられる一方,一致点として,図画工作科の授業研究校の指定を受けて共同で研修を積んだことで,この教科に対する教科観を前者は再確認し,後者は変換させていること等が挙げられた。今後,小学校における図画工作科指導の充実を図るために,現職教員に対しても,教員免許状更新講習等で,作品主義の教科観から脱却をめざす機会を設け,教員養成の段階では指導理論はもとより材料および用具の扱い方についてさらに丁寧に指導する必要があることが分かった。 |
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ISSN: | 0917-771X 2424-2497 |
DOI: | 10.24455/aaej.36.0_223 |