新生児呼吸時系列における定常性解析

カオス時系列解析に代表される多くの解析手法では, 時系列の定常性の成立が前提となっており, 観測時系列データの解析に先立ち, あらかじめその定常性解析を行うことは重要である.本論文では, 新生児から得られた長い呼吸時系列について, KM_2O-Langevin方程式により, 定常性の解析を行った.呼吸時系列として, 早期産児および正期産児から得られた時系列を解析対象とした.時系列全体にわたって時間局所的な定常性の変化を定量化し, 局所的な定常性の解析結果をもとに時系列全体での定常性を定量化した.その結果, 無呼吸発作に代表される振幅が急激に変化する付近では, 局所的な定常性は低くなり, 時系列...

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Published in日本ファジィ学会誌 Vol. 11; no. 5; pp. 848 - 854
Main Authors 合原, 一幸, 山田, 泰司, 森川, 良行, 小谷, 誠, 寳来, 俊介, 高橋, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 1999
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ISSN0915-647X
2432-9932
DOI10.3156/jfuzzy.11.5_144

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Summary:カオス時系列解析に代表される多くの解析手法では, 時系列の定常性の成立が前提となっており, 観測時系列データの解析に先立ち, あらかじめその定常性解析を行うことは重要である.本論文では, 新生児から得られた長い呼吸時系列について, KM_2O-Langevin方程式により, 定常性の解析を行った.呼吸時系列として, 早期産児および正期産児から得られた時系列を解析対象とした.時系列全体にわたって時間局所的な定常性の変化を定量化し, 局所的な定常性の解析結果をもとに時系列全体での定常性を定量化した.その結果, 無呼吸発作に代表される振幅が急激に変化する付近では, 局所的な定常性は低くなり, 時系列全体での定常性は, 早期産児は正期産児に比べ低くなる傾向が示された.
ISSN:0915-647X
2432-9932
DOI:10.3156/jfuzzy.11.5_144