個性正常咬合者における咬合力と顎顔面形態との関係
[緒言] 顎顔面の機能と形態とは, 相互に影響を与え合っていることが数多くの研究により報告されてきた1-4). しかし, これらの因果関係が明らかにされているとはいえない. また, 咬合力についても, 側面頭部X線規格写真を用いて顎顔面形態との関係を検討した報告が多くなされてきた5-9)が, 咬合力と咀嚼筋との関係を調べた研究は少ない2,3). Hannanら2)やSasakiら3)は, 咬合力と咬筋, 内側翼突筋の体積および走行との関係をMRIを用いて検討した. その結果, Hannanらは咬筋, 内側翼突筋の体積と咬合力との間に相関は認められなかったとしており, Sasakiら3)は, 咬...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 16; no. 4; pp. 176 - 183 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.12.2006
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd1991.16.176 |
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Summary: | [緒言] 顎顔面の機能と形態とは, 相互に影響を与え合っていることが数多くの研究により報告されてきた1-4). しかし, これらの因果関係が明らかにされているとはいえない. また, 咬合力についても, 側面頭部X線規格写真を用いて顎顔面形態との関係を検討した報告が多くなされてきた5-9)が, 咬合力と咀嚼筋との関係を調べた研究は少ない2,3). Hannanら2)やSasakiら3)は, 咬合力と咬筋, 内側翼突筋の体積および走行との関係をMRIを用いて検討した. その結果, Hannanらは咬筋, 内側翼突筋の体積と咬合力との間に相関は認められなかったとしており, Sasakiら3)は, 咬合力と咬筋, 内側翼突筋の断面積との間に高い関連性があるとしている. このように, 咬合力と咀嚼筋形態との関係については, 統一見解は得られていない. 一方, 咬合力と正貌における顎顔面形態との関係について調べた研究は少ない10). しかしながら, 偏側咀嚼の程度と顔面非対称との増大が関連しているとの報告11)があることや, 偏側性咀嚼習慣を取り除くことによって成長期における不正咬合の発現を抑制し, 矯正治療の予後または矯正治療後の保定にも役立つとの報告12)があることから, 正貌における顎顔面形態の対称性と機能との関係を調べることは重要である. 本研究では, 個性正常咬合者における咬合力と顎顔面形態との関係をデンタルプレスケール, 正面および側面頭部X線規格写真, MRIを用いて検討した. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.16.176 |