幼児の問題行動に関する因子構造デルの検討

本研究の目的は, 日本の健常幼児における問題行動の因子構造モデルを検証することであった。知的障害者の異常行動に関する研究を参考に, 幼児の問題行動を測定するための17項目のチェックリストを新しく作成した。対象は, 埼玉県M市内の公立保育所に在籍する児866名(男児389名, 女児477名)であり, 児の問題行動は担任保育士によって評価された。探索的因子分析の結果, 4因子解が得られた(無気力, 易興奮性, 多動, 不適切な言語)。さらに, 問題行動を2次因子, 前述の4領域を1次因子とする2次因子構造モデルを構築した。確証的因子分析を用いて, この2次因子構造モデルを検証した。モデルの適合度は...

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Published in東京保健科学学会誌 Vol. 3; no. 3; pp. 166 - 172
Main Authors 中嶋, 和夫, 齋藤, 友介, 矢嶋, 裕樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健科学学会 2000
Japan Academy of Health Sciences
Subjects
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ISSN1344-3844
2433-149X
DOI10.24531/jjhs.3.3_166

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Summary:本研究の目的は, 日本の健常幼児における問題行動の因子構造モデルを検証することであった。知的障害者の異常行動に関する研究を参考に, 幼児の問題行動を測定するための17項目のチェックリストを新しく作成した。対象は, 埼玉県M市内の公立保育所に在籍する児866名(男児389名, 女児477名)であり, 児の問題行動は担任保育士によって評価された。探索的因子分析の結果, 4因子解が得られた(無気力, 易興奮性, 多動, 不適切な言語)。さらに, 問題行動を2次因子, 前述の4領域を1次因子とする2次因子構造モデルを構築した。確証的因子分析を用いて, この2次因子構造モデルを検証した。モデルの適合度はX~2/dfが4.69, GFIが0.947, AGFIが0.921, CNが220であった。この結果, 本研究で示されたモデルのデータへの適合度は, 統計学的な許容水準を十分満たすものであった。
ISSN:1344-3844
2433-149X
DOI:10.24531/jjhs.3.3_166