日本語版キャリア・アダプタビリティ尺度の開発: 若年労働者を対象とした信頼性・妥当性の検証

本研究では,Savickas & Porfeli(2012)を基に,原著者の許諾を得た上で日本語版キャリア・アダプタビリティ尺度(CAAS-J)を作成し,若年労働者を対象とした調査によって尺度の信頼性と妥当性を検証した。2023 年2 月に20 歳代社員1,034 名に対してインターネット調査を行い,回答内容を分析した。因子分析の結果,Savickas & Porfeli(2012)と同様,キャリア・アダプタビリティを高次因子とした4 因子24 項目のモデルが高い適合度を示した。クロンバックのα係数は.97であり,内的整合性があることが認められた。基準関連妥当性の検証のために自...

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Bibliographic Details
Published inキャリア・カウンセリング研究 Vol. 26; no. 1; pp. 1 - 12
Main Authors 中原, 淳, 塩川, 太嘉朗, 保田, 江美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本キャリア・カウンセリング学会 30.09.2024
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ISSN2436-4088
DOI10.34512/careercounseling.26.1_1

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Summary:本研究では,Savickas & Porfeli(2012)を基に,原著者の許諾を得た上で日本語版キャリア・アダプタビリティ尺度(CAAS-J)を作成し,若年労働者を対象とした調査によって尺度の信頼性と妥当性を検証した。2023 年2 月に20 歳代社員1,034 名に対してインターネット調査を行い,回答内容を分析した。因子分析の結果,Savickas & Porfeli(2012)と同様,キャリア・アダプタビリティを高次因子とした4 因子24 項目のモデルが高い適合度を示した。クロンバックのα係数は.97であり,内的整合性があることが認められた。基準関連妥当性の検証のために自尊感情および自己効力感との相関分析を行い,収束的妥当性の検証のためにプロティアン・キャリアおよびバウンダリーレス・キャリアとの相関分析を行い,いずれの結果からも妥当性を有することが示された。以上の結果から,CAAS-Jは十分な信頼性と妥当性を有する尺度であると考えられる。
ISSN:2436-4088
DOI:10.34512/careercounseling.26.1_1