STMによる半導体表面の観察と探針評価

アルミブロックを組み合わせた簡単で丈夫な枠組を持つ超高真空走査型トンネル顕微鏡 (STM) が開発された.走査針は,針の先端原子の安定性から, [111]方位のタングステンの線状結晶の一端を電解研磨して鋭くしたものが用いられた.走査針の先端の鋭さと原子配列は,アトムプローブ電界イオン顕微鏡で観察し,その後STM内に装着した.装着後は,針に印加した負電圧とそれにより放射される電界放射電流量から針の鋭さを確認した. STMで観察されたシリコン試料は自木法により処理され, STM内の高真空中で熱処理された. Si (111) 面の7×7構造を明確に示すSTM像が得られ,本機の公解能と安定性が確認され...

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Published in応用物理 Vol. 57; no. 12; pp. 1907 - 1911
Main Authors 富取, 正彦, 西川, 治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 応用物理学会 1988
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Summary:アルミブロックを組み合わせた簡単で丈夫な枠組を持つ超高真空走査型トンネル顕微鏡 (STM) が開発された.走査針は,針の先端原子の安定性から, [111]方位のタングステンの線状結晶の一端を電解研磨して鋭くしたものが用いられた.走査針の先端の鋭さと原子配列は,アトムプローブ電界イオン顕微鏡で観察し,その後STM内に装着した.装着後は,針に印加した負電圧とそれにより放射される電界放射電流量から針の鋭さを確認した. STMで観察されたシリコン試料は自木法により処理され, STM内の高真空中で熱処理された. Si (111) 面の7×7構造を明確に示すSTM像が得られ,本機の公解能と安定性が確認された.
ISSN:0369-8009
2188-2290
DOI:10.11470/oubutsu1932.57.1907