人の観点から見た環境評価に関する研究 : 人的感覚を持つ環境監視システムの構築に向けて

本研究は人的感覚を持つ環境監視機能の医療分野への適用を目指す。医療事故を未然に防止するためには、状況の記録にとどまらず、一歩踏み込んで事故予測を行う必要がある。通常、人は過去の経験と現在状況を比較することにより現在状況を理解しており、過去の経験情報はその時点でのデータや情報ではなく、人的感覚情報として記憶されていると考えられる。従って、過去の経験情報と現在状況との比較を行うには、現在状況を人的感覚情報へ変換して過去の人的感覚情報と比較することが必要である。過去の経験情報と現状の人的感覚情報の比較ができれば今後の状況判断と予測が可能となる。本件では監視カメラの画像とセンサー信号を人的感覚情報に変...

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Published inバイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 Vol. 11; no. 2; pp. 25 - 31
Main Authors 持田, 信治, 橘, 昌幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメディカル・ファジィ・システム学会 2009
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Summary:本研究は人的感覚を持つ環境監視機能の医療分野への適用を目指す。医療事故を未然に防止するためには、状況の記録にとどまらず、一歩踏み込んで事故予測を行う必要がある。通常、人は過去の経験と現在状況を比較することにより現在状況を理解しており、過去の経験情報はその時点でのデータや情報ではなく、人的感覚情報として記憶されていると考えられる。従って、過去の経験情報と現在状況との比較を行うには、現在状況を人的感覚情報へ変換して過去の人的感覚情報と比較することが必要である。過去の経験情報と現状の人的感覚情報の比較ができれば今後の状況判断と予測が可能となる。本件では監視カメラの画像とセンサー信号を人的感覚情報に変換して、綜合的に判断することにより人的な状況判断を行う機能の提案を行い、機能の一部について試作と試行を行ったので報告する。しかし、現状の試作機では誤警告があり、環境監視性能は十分とは言い難い。人的感覚による環境監視の精度向上は今後の課題である。人的感覚を持つ環境監視機能が実現すれば、信頼性の高い環境の自動監視が可能となり、医療スタッフのストレス低減と患者に優しい医療環境が実現する。
ISSN:1345-1537
2424-2578
DOI:10.24466/jbfsa.11.2_25