ファジィプロジェクトネットワーク問題におけるクリティカルパスの解析

所要時間がファジィ数で表現されたプロジェクトネットワーク問題を取り扱う。ファジィプロジェクト遂行時間を求めるための従来の手法では, 結合点における計算にファジィ数の大小比較による方法とファジィ数の合成による方法が提案されているが, 計算の複雑さや矛盾点などでそれぞれ欠点を有している。そこで本論文では, これらの問題点を改善し, 合成による方法を適用して区間で表現されたプロジェクト遂行時間と各活動のクリティカルの度合いを求める効率的な解法を提案する。従来のクリティカルの度合いを定義における計算上困難な問題点と矛盾点を指摘し, これらの問題点を改善した新たなクリティカルの度合いを定義する。解法では...

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Bibliographic Details
Published in日本ファジィ学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 133 - 142
Main Author 岡田, 真幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 2000
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ISSN0915-647X
2432-9932
DOI10.3156/jfuzzy.12.1_133

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Summary:所要時間がファジィ数で表現されたプロジェクトネットワーク問題を取り扱う。ファジィプロジェクト遂行時間を求めるための従来の手法では, 結合点における計算にファジィ数の大小比較による方法とファジィ数の合成による方法が提案されているが, 計算の複雑さや矛盾点などでそれぞれ欠点を有している。そこで本論文では, これらの問題点を改善し, 合成による方法を適用して区間で表現されたプロジェクト遂行時間と各活動のクリティカルの度合いを求める効率的な解法を提案する。従来のクリティカルの度合いを定義における計算上困難な問題点と矛盾点を指摘し, これらの問題点を改善した新たなクリティカルの度合いを定義する。解法では, 先行する結合点を保存するラベルを各結合点に付加することにより, 前進手法だけでクリティカルの度合いを決定できる。更に, 計算過程では, ファジィ所要時間に対して, α-レベル集合を適用して区間として取り扱い, 計算の簡便化を図っている。提案する解法は, 二つの手続きAlgorithm1とAlgorithm2から構成され, Algorithm1では, 設定されたしきい値αの値に対する区間で表現されたプロジェクト遂行時間, 及びクリティカルの度合いがしきい値α以上のすべての活動を決定する。Algorithm2では, 設定された分割数で, しきい値αの値を設定し, その値を引数として, Algorithm1を反復実行し, 各活動のクリティカルの度合いを近似的に決定する。その反復過程でクリティカルでない活動を逐次削除することにより, ネットワークの活動の数は減少していくため, 計算時間は徐々に短縮する。最後に, 提案した解法を説明するための数値例を示す。
ISSN:0915-647X
2432-9932
DOI:10.3156/jfuzzy.12.1_133