古代貝化石のリン酸イオン吸着能とその除染剤への応用に関する基礎的検討

古代貝化石(ASF)のリン酸イオン吸着能を32P-H3PO4を用いて検討した。この結果,ASFが放射性セシウムやカリウム以外にリン酸イオンに対して極めて高い吸着能を有することが明らかとなった。そこで,ASF含有石鹸を作製し,32P-H3PO4で汚染させた素材の異なる各種板からの除染効果を検討,除染されにくい鉛板,アルミ板及び床でもASF含有石鹸は顕著な除染効果を有していた。さらに,ラテックス手袋,ヒト手皮膚,ステンレス(SUS)板でも,水による2回洗浄では20~40%の汚染が残存したがASF石鹸で90%以上が除染された。...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 62; no. 12; pp. 885 - 893
Main Authors 井手, 俊太, 小島, 周二, 月本, 光俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 2013
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ISSN0033-8303
1884-4111
DOI10.3769/radioisotopes.62.885

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Summary:古代貝化石(ASF)のリン酸イオン吸着能を32P-H3PO4を用いて検討した。この結果,ASFが放射性セシウムやカリウム以外にリン酸イオンに対して極めて高い吸着能を有することが明らかとなった。そこで,ASF含有石鹸を作製し,32P-H3PO4で汚染させた素材の異なる各種板からの除染効果を検討,除染されにくい鉛板,アルミ板及び床でもASF含有石鹸は顕著な除染効果を有していた。さらに,ラテックス手袋,ヒト手皮膚,ステンレス(SUS)板でも,水による2回洗浄では20~40%の汚染が残存したがASF石鹸で90%以上が除染された。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.62.885