同種造血幹細胞移植を施行した若年成人がんサバイバーの移行プロセス

目的:同種造血幹細胞移植を施行し,退院後外来フォローとなる若年成人がんサバイバーの移行プロセスを明らかにすることとした.方法:同種造血幹細胞移植を20歳代に施行し,退院後長期的にフォローアップをしている20~40歳未満の5名を対象とした.半構成的面接を行い,transitions theoryの概念枠組みに基づき質的帰納的に分析した.結果:同種造血幹細胞移植施行後の若年成人がんサバイバーの移行プロセスのタイプは,健康/疾病であり,移植が変化を引き金とし複数の移行が順次起こり,反応パターンに至るまで相互に関連していた.移植を施行した若年成人がんサバイバーの移行プロセスの特徴は,【新たなライフイベ...

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Published in日本がん看護学会誌 Vol. 39; p. 39_10_nishioka
Main Authors 西岡, 英菜, 川崎, 優子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本がん看護学会 20.02.2025
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ISSN0914-6423
2189-7565
DOI10.18906/jjscn.39_10_nishioka

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Summary:目的:同種造血幹細胞移植を施行し,退院後外来フォローとなる若年成人がんサバイバーの移行プロセスを明らかにすることとした.方法:同種造血幹細胞移植を20歳代に施行し,退院後長期的にフォローアップをしている20~40歳未満の5名を対象とした.半構成的面接を行い,transitions theoryの概念枠組みに基づき質的帰納的に分析した.結果:同種造血幹細胞移植施行後の若年成人がんサバイバーの移行プロセスのタイプは,健康/疾病であり,移植が変化を引き金とし複数の移行が順次起こり,反応パターンに至るまで相互に関連していた.移植を施行した若年成人がんサバイバーの移行プロセスの特徴は,【新たなライフイベントに取り組む】なかで【思い描いていた人生どおりに歩めない葛藤】をいだきながらも【自分の目標に向かって進む】ものであった.心理的側面では,【ポジティブな移植経験の受け止め】と【ネガティブな移植経験の受け止め】の相反する《意味》があり,心理面のコントロールに苦悩していることが明らかとなった.考察:移植を施行した若年成人がんサバイバーの移行プロセスは,自らの力で《エンゲイジメント》しようと苦戦し《熟達》に向かうものであり,移行のプロセス全体を支援する必要がある.
ISSN:0914-6423
2189-7565
DOI:10.18906/jjscn.39_10_nishioka