肺癌に合併する呼吸器感染症に対する Imipenem/Cilastatin sodiumの臨床的検討

Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を肺癌に合併する呼吸器感染症54例に投与した。有効性評価は53例で行った。感染症の内訳は肺炎42例, 閉塞性肺炎9例, 肺化膿症1例, 気管支炎1例で, 有効率は71.7%であつた。肺癌の組織型では扁平上皮癌22例, 腺癌19例, 小細胞癌8例, 大細胞癌2例, 肺胞上皮癌1例, 悪性中皮腫1例であった。肺癌の病期はIV期が31例と多かった。14症例から17株の起炎菌が分離され, staphylococcus aureus5株, Staphylococcusepidermidis 4株, staphylococcus sp...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 44; no. 4; pp. 388 - 397
Main Authors 山本, 正彦, 伊奈, 康孝, 高田, 勝利, 野田, 正治, 森下, 宗彦, 千田, 嘉博, 鳥井, 義夫, 柿原, 秀敏, 吉川, 公章, 杉浦, 孝彦, 橋上, 裕, 村松, 元江, 平松, 幸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1991
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Summary:Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を肺癌に合併する呼吸器感染症54例に投与した。有効性評価は53例で行った。感染症の内訳は肺炎42例, 閉塞性肺炎9例, 肺化膿症1例, 気管支炎1例で, 有効率は71.7%であつた。肺癌の組織型では扁平上皮癌22例, 腺癌19例, 小細胞癌8例, 大細胞癌2例, 肺胞上皮癌1例, 悪性中皮腫1例であった。肺癌の病期はIV期が31例と多かった。14症例から17株の起炎菌が分離され, staphylococcus aureus5株, Staphylococcusepidermidis 4株, staphylococcus sp.2株, Enterococcus faecalis 1株, Pseudomonas aeruginosa 2株, Pseudomonas fluorescens2株, Acinetobacter sp.1株であつた。菌の消失率は81.8%であった。副作用は1例に悪心・嘔吐が認められ, 臨床検査値異常は3例に認あられたがいずれも軽度で一過性のものであつた。肺癌に合併する呼吸器感染症に対しIPM/CSは, 高い有用性を認めた。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.44.388