MRSA肺炎の臨床的検討
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が起炎菌と考えられた肺炎症例を検討としたところ, 高齢者やCompromised hostに多く発症し, 緑膿菌を初めとするブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌との複数菌感染例が半数以上であった。これらに対して, Arbekacinを点滴静注で, 単独あるいはImipenem/Cilastatin, Ceftazidime, 抗真菌薬などと併用し, 治療した。この臨床効果は, 単独使用群11例では有効率は55.6%, 併用使用群40例では83.3%であった。MRSAの消失率は 31.9%であった。この成績は, VancomycinによるMRSA肺炎に対する臨...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 47; no. 6; pp. 736 - 740 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1994
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Summary: | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が起炎菌と考えられた肺炎症例を検討としたところ, 高齢者やCompromised hostに多く発症し, 緑膿菌を初めとするブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌との複数菌感染例が半数以上であった。これらに対して, Arbekacinを点滴静注で, 単独あるいはImipenem/Cilastatin, Ceftazidime, 抗真菌薬などと併用し, 治療した。この臨床効果は, 単独使用群11例では有効率は55.6%, 併用使用群40例では83.3%であった。MRSAの消失率は 31.9%であった。この成績は, VancomycinによるMRSA肺炎に対する臨床効果に比べて, 同等あるいはそれ以上良好な結果であった。 喀痰よりMRSAが分離された肺炎例では, MRSAが起炎菌であるか, Colonizationであるかを判定することは重要であるがξ臨床的には治療前に判定できないことも多い。菌量, 炎症所見などを注意深く検討し, 治療を開始することが必要である。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.47.736 |