Methicillin-resistant Staphylococcus aureusのArbekacin 耐性菌出現について

群馬大学第一外科臨床分離Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)17株のうち4株についてArbekacin(ABK)耐性変異株の出現頻度を検討した。ABK選択濃度が1MICの時の耐性菌出現頻度は10-4~10-5であり, ABK選択濃度を8MICに上げることにより, 耐性菌出現頻度は10-6~10-7まで低下した。またβ-ラクタム剤を中心に他の抗菌剤を併用した場合でもやはり, ABK耐性変異株出現頻度は低下することがわかった。したがって, ABK使用に際してはβ-ラクタム剤の併用とともに, 副作用を考慮したうえで治療初期の血中濃度を高あ...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 47; no. 6; pp. 634 - 639
Main Authors 鈴木, 隆男, 藤田, 欣一, 長町, 幸雄, 大久保, 豊司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1994
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Summary:群馬大学第一外科臨床分離Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)17株のうち4株についてArbekacin(ABK)耐性変異株の出現頻度を検討した。ABK選択濃度が1MICの時の耐性菌出現頻度は10-4~10-5であり, ABK選択濃度を8MICに上げることにより, 耐性菌出現頻度は10-6~10-7まで低下した。またβ-ラクタム剤を中心に他の抗菌剤を併用した場合でもやはり, ABK耐性変異株出現頻度は低下することがわかった。したがって, ABK使用に際してはβ-ラクタム剤の併用とともに, 副作用を考慮したうえで治療初期の血中濃度を高あることも, 耐性菌を抑える点では有意義と考えられた。またアミノ配糖体不活化酵素である6'-アセチル転移酵素+2-リン酸転移酵素(AAC(6)-APH(2))を産生する遺伝子を有する菌株のMS353/pMS91を用いて元株と耐性株の酵素活性を測定したところ, 耐性株が約6倍の増加を認めた。この結果, ABKの耐性値の上昇が不活化酵素活性の増加によることが示唆された。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.47.634