Ceftibuten による尿中細菌の形態変化

Ceftibuten (CETB) による尿中グラム陰性桿菌の形態変化を4例の尿路感染症 (1例: 急性単純性膀胱炎, 3例: 複雑性尿路感染症) を対象として検討した。 薬剤の投与方法は, 急性単純性膀胱炎患者には1回200mgを1日2回朝夕, 3日間, 複雑性尿路感染症患者には1回200mgを1日2回朝夕, 5日間服用させた。 初回投与後の尿中排泄と尿中生菌数の変化さらに細菌形態変化を検討した。CETBの尿中排泄は内服後1時間にて7.38-60.3μg/mlに達した。尿中生菌数は, 投与前には1-5×107cells/mlであったものが, 投与1時間後には1-3×103cells/mlに減...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 49; no. 3; pp. 273 - 278
Main Authors 和志田, 裕人, 阪上, 洋, 粟田, 成毅, カン, キホ, 河合, 憲康, 犬塚, 和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.03.1996
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Summary:Ceftibuten (CETB) による尿中グラム陰性桿菌の形態変化を4例の尿路感染症 (1例: 急性単純性膀胱炎, 3例: 複雑性尿路感染症) を対象として検討した。 薬剤の投与方法は, 急性単純性膀胱炎患者には1回200mgを1日2回朝夕, 3日間, 複雑性尿路感染症患者には1回200mgを1日2回朝夕, 5日間服用させた。 初回投与後の尿中排泄と尿中生菌数の変化さらに細菌形態変化を検討した。CETBの尿中排泄は内服後1時間にて7.38-60.3μg/mlに達した。尿中生菌数は, 投与前には1-5×107cells/mlであったものが, 投与1時間後には1-3×103cells/mlに減少した。 尿中細菌の形態変化: 微分干渉顕微鏡では投与30分後より強度の菌体障害を伴うフィラメントが観察された。透過型電子顕微鏡では細胞壁, 細胞質ともに障害を受けていた。 UTI薬効評価基準による効果判定では, 有効率は100%であった。全例とも自他覚的副作用, 臨床検査値の異常は認められなかった。 結論: CETBの尿路感染症に対する成績は満足するものであった。細菌形態変化より, 本剤はin vivo においては, PBP-3だけではなく, PBP-1にも作用することが示唆された。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.49.273