家兎Staphylococcus aureus髄膜炎におけるCefozopranの髄液中移行

Cefozopranの髄液中移行を家兎Staphylococcus aureus髄膜炎を用いて検討した。 本剤100mg (力価)/kgを静注後15分に血漿中濃度のピークが,60分に髄液中濃度のピークがあり, それぞれ293±17.6μg/ml, 16.5±2.74μg/ml (平均±S. E.) であった。この濃度推移曲線から求めた薬動力学的パラメーターは最高濃度髄液血漿比百分率5.72%, 曲線下面積 (AUC) 髄液血漿比百分率15~60分6.61%, 15~120分9.38%, 15~180分11.2%, 血漿中濃度半減期 (T1/2) 49.3分,髄液中濃度半減期 (T1/2) 13...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 49; no. 5; pp. 517 - 521
Main Authors 春出, 恒和, 大倉, 完悦, 黒木, 茂一, 仁紙, 宏之, 小林, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.05.1996
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Summary:Cefozopranの髄液中移行を家兎Staphylococcus aureus髄膜炎を用いて検討した。 本剤100mg (力価)/kgを静注後15分に血漿中濃度のピークが,60分に髄液中濃度のピークがあり, それぞれ293±17.6μg/ml, 16.5±2.74μg/ml (平均±S. E.) であった。この濃度推移曲線から求めた薬動力学的パラメーターは最高濃度髄液血漿比百分率5.72%, 曲線下面積 (AUC) 髄液血漿比百分率15~60分6.61%, 15~120分9.38%, 15~180分11.2%, 血漿中濃度半減期 (T1/2) 49.3分,髄液中濃度半減期 (T1/2) 138分, T1/2髄液血漿比は2.81であった。 同様な方法で得られた他のβ-ラクタム系抗生物質の成績と比較すると, 本剤の最高濃度髄液血漿比百分率は中程度であるが, 最高髄液中濃度は高く, 本剤の髄膜炎主要菌種に対する抗菌力と考え合せて, 臨床上有用であると考えられた。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.49.517