Carbapenem剤耐性MRSAに対するvancomycinとpanipenemのin vitro併用効果
臨床材料から分離したMRSA (mecA陽性) 8株を用いてVCMとPAPMの抗菌活性に及ぼすpHの影響と両薬剤の併用における抗菌活性をin vitroで検討した。 MICに及ぼすpH (6, 7, 8) の影響は (1) VCM単剤では1.0~2.0μg/mlの範囲で変化なかった。(2) PAPM単剤ではアルカリ側で抗菌活性が増強される傾向にあった。(3) VCM, PAPMの併用効果に及ぼすpHの影響はなかった。 VCMとPAPM併用時の殺菌曲線は (1) VCM: 1/4MICとPAPM: 1/4MICでは作用6時間後では1.05×105CFU/ml→6.45×104/mlへ, 24時間...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 51; no. 7; pp. 488 - 493 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.07.1998
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.51.488 |
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Summary: | 臨床材料から分離したMRSA (mecA陽性) 8株を用いてVCMとPAPMの抗菌活性に及ぼすpHの影響と両薬剤の併用における抗菌活性をin vitroで検討した。 MICに及ぼすpH (6, 7, 8) の影響は (1) VCM単剤では1.0~2.0μg/mlの範囲で変化なかった。(2) PAPM単剤ではアルカリ側で抗菌活性が増強される傾向にあった。(3) VCM, PAPMの併用効果に及ぼすpHの影響はなかった。 VCMとPAPM併用時の殺菌曲線は (1) VCM: 1/4MICとPAPM: 1/4MICでは作用6時間後では1.05×105CFU/ml→6.45×104/mlへ, 24時間後では検出不能 (<10CFU/ml) であった。(2) VCM: 1/4MICとPAPM: 1/8MICでは併用24時間後では2.68×105/ml→3.6×102/mlの抗菌活性を示したが48時間後再び増殖した。これらの成績からVCMとPAPMとの併用療法は投与薬剤量を少なくすることが可能となり, 副作用を軽減させる可能性があり, 腎臓機能が低下している人等のMRSA感染症の治療に有効であると推察される。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.51.488 |