白血病に合併した内臓真菌症に対するFluconazole注射剤の臨床試験成績

白血病に合併した深在性真菌症6例にFluconazole 100~400mg/日の投与量で静脈内投与し臨床的検討を行つた。 基礎疾患となつた白血病の種類は急性リンパ性白血病4例, 急性骨髄性白血病1例, 急性骨髄性単球性白血病 (AMMoL) 1例で, 起因真菌はすべてCandida属真菌であつた。感染症診断名はカンジダ肺炎, 気管支カンジダ症3例, カンジダ尿症2例, 敗血症疑い及び口腔内カンジダ症合併1例であつたが, カンジダ尿症の1例は基礎疾患 (AMMoL) のため死亡したので, 有効性の評価は5例について行われた。 総合臨床効果はカンジダ肺炎, 気管支カンジダ症の3例と敗血症疑い,...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 42; no. 1; pp. 117 - 126
Main Authors 丸田, 壱郎, 松崎, 道男, 府川, 仁哉, 児玉, 文雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1989
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Summary:白血病に合併した深在性真菌症6例にFluconazole 100~400mg/日の投与量で静脈内投与し臨床的検討を行つた。 基礎疾患となつた白血病の種類は急性リンパ性白血病4例, 急性骨髄性白血病1例, 急性骨髄性単球性白血病 (AMMoL) 1例で, 起因真菌はすべてCandida属真菌であつた。感染症診断名はカンジダ肺炎, 気管支カンジダ症3例, カンジダ尿症2例, 敗血症疑い及び口腔内カンジダ症合併1例であつたが, カンジダ尿症の1例は基礎疾患 (AMMoL) のため死亡したので, 有効性の評価は5例について行われた。 総合臨床効果はカンジダ肺炎, 気管支カンジダ症の3例と敗血症疑い, 口腔内カンジダ症の1 例は有効, カンジダ尿症の1例は著効と判定され, 有効率は100%であつた。 自他覚的副作用症状は1例もみられず, 臨床検査成績において血清トランスァミナーゼ活性と Al-Pの上昇が2例に, 血清クレアチニンの上昇が1例に認められたが, 原疾患である白血病及び白血病に対する治療薬の影響と考えられた。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.42.117