キャピラリー電気泳動/質量分析用フリット高速原子衝撃インターフェースの検討

LC/MSのインターフェースとして実用化されているFrit-FAB法を応用し, CE/Frit-FABインターフェースの開発を試みた. 空圧スプリッターを液絡に置き換えることにより, MSの真空による分離キャピラリー内泳動液の吸引抑制と, FABイオン化に必要なマトリックスのポストカラム添加が実現でき, エレクトロフェログラムとFAB-MSスペクトルを得ることができた. 泳動液に20mMリン酸塩緩衝液を用いた場合でも, 流路が閉そくすることはなく測定可能であった. しかし, UV検出に比較してMS検出の場合はピークの広がりが生じた. ピークの広がりには液絡の間隔と, 液絡とMS間のキャピラリー...

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Published in分析化学 Vol. 50; no. 8; pp. 523 - 529
Main Authors 山田, 郁, 谷沢, 善明, 氏家, 高志, 保母, 敏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2001
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Summary:LC/MSのインターフェースとして実用化されているFrit-FAB法を応用し, CE/Frit-FABインターフェースの開発を試みた. 空圧スプリッターを液絡に置き換えることにより, MSの真空による分離キャピラリー内泳動液の吸引抑制と, FABイオン化に必要なマトリックスのポストカラム添加が実現でき, エレクトロフェログラムとFAB-MSスペクトルを得ることができた. 泳動液に20mMリン酸塩緩衝液を用いた場合でも, 流路が閉そくすることはなく測定可能であった. しかし, UV検出に比較してMS検出の場合はピークの広がりが生じた. ピークの広がりには液絡の間隔と, 液絡とMS間のキャピラリーの内径及び長さが影響し, 電気浸透流が存在しない部分での試料の拡散がピークの広がりの主原因であった. 本方法は, 紫外吸収を持たないテトラアルキル四級塩の分析に応用可能であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.50.523