安定同位体標識化合物を用いる固相抽出/親水性相互作用液体クロマトグラフィー/質量分析法による水試料中ジクワットの定量

水試料中ジクワットの親水性相互作用液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化/質量分析法(HILIC/ESI/MS)による定量法を検討し,水質管理目標設定項目(水道水)としての目標値5 μg/Lの1/100の濃度を定量可能とした.ジクワット-d4を添加した水試料を弱陽イオン交換と逆相分配の保持能を合わせ持つ固相に通し,4% トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル•2-プロパノール(60 : 40)混液で溶出•乾固し,移動相溶媒で溶解,HILIC/ESI/MS分析に供した.移動相溶媒はアセトニトリル: 10 mMギ酸アンモニウム(pH 3.7) = 50 : 50で,ESI正イオンモードで,...

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Published in分析化学 Vol. 56; no. 7; pp. 579 - 585
Main Authors 山崎, 富夫, 巻幡, 希子, 英保, 次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2007
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.56.579

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Summary:水試料中ジクワットの親水性相互作用液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化/質量分析法(HILIC/ESI/MS)による定量法を検討し,水質管理目標設定項目(水道水)としての目標値5 μg/Lの1/100の濃度を定量可能とした.ジクワット-d4を添加した水試料を弱陽イオン交換と逆相分配の保持能を合わせ持つ固相に通し,4% トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル•2-プロパノール(60 : 40)混液で溶出•乾固し,移動相溶媒で溶解,HILIC/ESI/MS分析に供した.移動相溶媒はアセトニトリル: 10 mMギ酸アンモニウム(pH 3.7) = 50 : 50で,ESI正イオンモードで,m/z 183,m/z 184,m/z 157(ジクワット),m/z 186(ジクワット-d4)で測定した.0.05,0.5,5 μg/Lを添加した純水,水道水及び河川水におけるジクワットの回収率は88~105% であり,変動係数は1.7~15% であった.本法を用いて42試料を分析した結果,1試料(浅井戸原水)から2.8 μg/Lのジクワットが検出された.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.56.579