放し飼い状態での飼料給与条件が乳牛の採食行動に及ぼす影響

牛群管理技術改善のための資料を得る目的で, ホルスタイン種経産牛8頭 (除角牛1頭を含む) を用い, 放し飼い状態で飼料を給与し, その飼料の配置数および配置間隔の違いが牛の採食行動に及ぼす影響について調査した。その結果, 4m間隔で牛の頭数分配置した区は, 採食時間が長く佇立時間が短く, より好ましい飼養条件であった。2m間隔で牛の頭数分より2個多く配置した区, 2m間隔で牛の頭数分だけ配置した区および牛の頭数分より少なく配置した区は, この順に採食時間が短く佇立時間が長くなり, より厳しい飼養条件となった。こうした飼養環境への各個体の適応能力に個体順位をつけた場合, この能力の最上位の牛は...

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Published inThe West Japan Journal of Animal Science Vol. 34; pp. 39 - 42
Main Authors 井原, 健太, 高野, 壽鶴, 西野, 武蔵, 溝手, 成幸, 北川, 政幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本暖地畜産学会 1991
Warm Regional Society of Animal Science, Japan
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ISSN0914-3459
1884-6394
DOI10.11461/jwaras1968.34.39

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Summary:牛群管理技術改善のための資料を得る目的で, ホルスタイン種経産牛8頭 (除角牛1頭を含む) を用い, 放し飼い状態で飼料を給与し, その飼料の配置数および配置間隔の違いが牛の採食行動に及ぼす影響について調査した。その結果, 4m間隔で牛の頭数分配置した区は, 採食時間が長く佇立時間が短く, より好ましい飼養条件であった。2m間隔で牛の頭数分より2個多く配置した区, 2m間隔で牛の頭数分だけ配置した区および牛の頭数分より少なく配置した区は, この順に採食時間が短く佇立時間が長くなり, より厳しい飼養条件となった。こうした飼養環境への各個体の適応能力に個体順位をつけた場合, この能力の最上位の牛は, 採食時間が長く, 佇立時間が短く, 被威嚇行動はなく, 採食場所移動回数は少なく, 1回当たり連続採食時間が長く, 採食場所も固定的であった。最下位の牛は, すべての項目で劣り, 採食場所も非固定的であった。同じ場所で2頭以上の個体が共有採食しているのがみられた。共有採食行動は, 除角された牛との組み合わせが多く, また, 飼養条件が厳しくなると共有採食時間, 共有採食の組み合わせ個体数とも増加した。
ISSN:0914-3459
1884-6394
DOI:10.11461/jwaras1968.34.39