血管内皮細胞を介する好中球遊走における血小板活性化因子の役割解析
好中球浸潤を一つの特徴とするラットのアレルギー性空気嚢型炎症モデルは, あらかじめラットを抗原蛋白質(ABA-AcBSA)で感作し, 背部皮下に作成した空気嚢(air pouch)内に抗原液を注入して, アレルギー反応に基づく炎症反応を誘発するモデルである1). 感作群では, 抗原液注入直後に肥満細胞の脱顆粒によるヒスタミン放出に基づく一過性の血管透過性亢進が起こり, その後, 48時間にかけてpouch内液中に浸潤する顆粒球数は経時的に増加する. 一方, 無感作ラットのair pouch内に抗原液を注入した場合のヒスタミン放出は, 感作群にくらべるときわめてわずかであり2), また, 顆粒球...
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Published in | 炎症 Vol. 14; no. 3; pp. 185 - 192 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本炎症・再生医学会
1994
日本炎症学会 |
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Summary: | 好中球浸潤を一つの特徴とするラットのアレルギー性空気嚢型炎症モデルは, あらかじめラットを抗原蛋白質(ABA-AcBSA)で感作し, 背部皮下に作成した空気嚢(air pouch)内に抗原液を注入して, アレルギー反応に基づく炎症反応を誘発するモデルである1). 感作群では, 抗原液注入直後に肥満細胞の脱顆粒によるヒスタミン放出に基づく一過性の血管透過性亢進が起こり, その後, 48時間にかけてpouch内液中に浸潤する顆粒球数は経時的に増加する. 一方, 無感作ラットのair pouch内に抗原液を注入した場合のヒスタミン放出は, 感作群にくらべるときわめてわずかであり2), また, 顆粒球浸潤は炎症誘発後4時間までアレルギー群と同様に上昇するが, その後の浸潤は弱くなる. アレルギー性炎症の誘発により浸潤する顆粒球は90%以上が好中球であり, 抗原刺激後4時間以降の好中球浸潤は, 血小板活性化因子(PAF)の特異的拮抗薬を抗原刺激時に静脈注射あるいはpouch内に局所投与すると用量依存的に抑制される3, 4). |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.14.185 |