インタラクタンスモードによるトマト糖度非破壊計測の検証

近赤外分光法を用いるトマト糖度の非破壊計測法が検証された.近赤外光短波長域におけるトマトの光吸収スペクトルをインタラクタンスモードで非破壊計測し,糖度を目的変数,856 nm,876 nm,902 nmにおける吸光度の2次微分値を説明変数とする重回帰式(トマト糖度を非破壊推定する式)に関して以下の検証がなされた.開発された重回帰式に関して,その切片と回帰係数の妥当性をt及びP値により検証した.次に,重回帰式に採用した説明変数に関して,分散拡大要因(多重共線性の検討)によりその妥当性を調べ,本重回帰式に関して肯定的な結果を得た.また,PLS回帰分析により得られた回帰係数で絶対値の大きい値は,重回...

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Published in分析化学 Vol. 74; no. 3; pp. 105 - 110
Main Authors 森本, 進, 伊藤, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.03.2025
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Summary:近赤外分光法を用いるトマト糖度の非破壊計測法が検証された.近赤外光短波長域におけるトマトの光吸収スペクトルをインタラクタンスモードで非破壊計測し,糖度を目的変数,856 nm,876 nm,902 nmにおける吸光度の2次微分値を説明変数とする重回帰式(トマト糖度を非破壊推定する式)に関して以下の検証がなされた.開発された重回帰式に関して,その切片と回帰係数の妥当性をt及びP値により検証した.次に,重回帰式に採用した説明変数に関して,分散拡大要因(多重共線性の検討)によりその妥当性を調べ,本重回帰式に関して肯定的な結果を得た.また,PLS回帰分析により得られた回帰係数で絶対値の大きい値は,重回帰式に採用された説明変数(波長)とほぼ一致し,加えて,各係数の符号も一致した.さらに,未知試料の糖度を非破壊計測した結果,高精度な推定(相関係数0.97)が可能であることを確認した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.74.105