ガスクロマトグラフィーによるガソリンの蒸気圧及び引火点の簡便な予測法の開発と蒸発ガソリンの分析への適用

ガソリンの蒸気圧及び引火点をガスクロマトグラフィー(GC)により求めた.ガソリンを構成する多数の炭化水素成分の中で代表的な24成分及びエチルターシャリブチルエーテル(ETBE)を合わせた合計25成分についてGC分析により含有率を求めた.各成分の含有率及びAntoineの式を用いて算出したガソリンの蒸気圧は,日本工業規格(JIS)に定めるリード法により実測した蒸気圧との差が3% 以下であった.次に,0~50 wt% 蒸発させたガソリンの蒸気圧を10~40℃ の温度範囲において同様の方法で算出し,リード法により測定した実測値と比較した結果,両者の間には良好な一致が見られた.さらに,0~50 wt%...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in分析化学 Vol. 61; no. 7; pp. 569 - 576
Main Authors 吉田, 浩陽, 岡本, 勝弘, 平松, 宗之, 日野, 智徳, 萩本, 安昭, 本間, 正勝, 渡邉, 憲道, 宮本, 寛樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2012
Online AccessGet full text
ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.61.569

Cover

More Information
Summary:ガソリンの蒸気圧及び引火点をガスクロマトグラフィー(GC)により求めた.ガソリンを構成する多数の炭化水素成分の中で代表的な24成分及びエチルターシャリブチルエーテル(ETBE)を合わせた合計25成分についてGC分析により含有率を求めた.各成分の含有率及びAntoineの式を用いて算出したガソリンの蒸気圧は,日本工業規格(JIS)に定めるリード法により実測した蒸気圧との差が3% 以下であった.次に,0~50 wt% 蒸発させたガソリンの蒸気圧を10~40℃ の温度範囲において同様の方法で算出し,リード法により測定した実測値と比較した結果,両者の間には良好な一致が見られた.さらに,0~50 wt% 蒸発させたガソリンの引火点をLe Chatelierの法則を用いて計算し,JISに定めるタグ密閉法により測定した引火点の実測値と比較した.引火点についても,実測値とほぼ同様の計算値が得られた.本法を用いることにより,放火事案などで検査対象となる蒸発変成したガソリンの蒸気圧及び引火点を簡便かつ迅速に求めることが可能であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.61.569