多重レベル0-1計画問題に対する2重構造文字列遺伝的アルゴリズムによる対話型ファジィ計画法

本論文では,多重レベル0-1計画問題に焦点をあて,遺伝的アルゴリズムを用いた対話型ファジィ計画法を提案する.多重レベル線形計画問題に対して,近年,Laiらによって提案されたファジィ計画法では,上位レベルにおいて,目的関数に対するファジィ目標のみならず決定変数に対するファジィ目標をもメンバシップ関数で規定してファジィ決定で統合しているので,目的関数に対するファジィ目標と決定変数に対するファジィ目標が矛盾して,望ましくない解に到達する可能性が残されていた.このような問題点に対処するため,上位レベルの決定変数に対するメンバシップ関数の規定を削除するとともに,多重レベル線形計画問題を拡張して,変数が0...

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Published in日本ファジィ学会誌 Vol. 10; no. 6; pp. 1118 - 1128
Main Authors 日高, 真聡, 西崎, 一郎, 植村, 芳雄, 坂和, 正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 1998
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ISSN0915-647X
2432-9932
DOI10.3156/jfuzzy.10.6_1118

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Summary:本論文では,多重レベル0-1計画問題に焦点をあて,遺伝的アルゴリズムを用いた対話型ファジィ計画法を提案する.多重レベル線形計画問題に対して,近年,Laiらによって提案されたファジィ計画法では,上位レベルにおいて,目的関数に対するファジィ目標のみならず決定変数に対するファジィ目標をもメンバシップ関数で規定してファジィ決定で統合しているので,目的関数に対するファジィ目標と決定変数に対するファジィ目標が矛盾して,望ましくない解に到達する可能性が残されていた.このような問題点に対処するため,上位レベルの決定変数に対するメンバシップ関数の規定を削除するとともに,多重レベル線形計画問題を拡張して,変数が0-1であるような多重レベル0-1計画問題に対する遺伝的アルゴリズムを取り入れた対話型ファジィ計画法を提案する.提案した手法によれば,各レベルの意思決定者の目的関数に対するファジィ目標を規定した後,最下位のレベル以外の意思決定者が満足度の最小許容度を主観的に設定するとともに,レベル間の満足度の比も考慮して,必要となれば意思決定者の最小許容度を対話的に更新することによリ,上位レベルの意思決定者の意向を尊重しつつ,レベル間の満足度の達成バランスをも取り入れた満足解が効率よく導出される.最後に,2レベルおよび3レベルの0-1計画問題に対する数値例により提案した手法の妥当性と有効性を示す.
ISSN:0915-647X
2432-9932
DOI:10.3156/jfuzzy.10.6_1118