高温可溶化処理による鶏糞のアンモニア除去およびメタン発酵処理

鶏糞をメタン発酵で利用するためには、アンモニアによる発酵阻害を低減させることが必要である。本研究では、超高温可溶化による鶏糞からのアンモニア除去について検討した。鶏糞からのアンモニアの除去量は、室温条件(25℃)においては0.41 mg/Lであり、高温可溶化条件(80℃、 MU3株添加)においては0.85 mg/Lであった。この結果から、高温可溶化法によるアンモニアの除去効果は室温条件と比較して2倍以上であることが確認された。また、高温可溶化メタン発酵の連続試験(80℃、MU3株添加)の結果、メタン発酵槽内のpHは7.4~7.8の間で推移しており、ORPは−460~−410 mVの間で推移して...

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Published in環境と安全 Vol. 11; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 荒木, 賢人, 中道, 隆広, 山野, 浩二, 藥師寺, 佑佳, 小林, 淳, 石橋, 康弘, 吉田, 雅文, 有薗, 幸司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大学等環境安全協議会 30.04.2020
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ISSN1884-4375
2186-3725
DOI10.11162/daikankyo.19H0401

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Summary:鶏糞をメタン発酵で利用するためには、アンモニアによる発酵阻害を低減させることが必要である。本研究では、超高温可溶化による鶏糞からのアンモニア除去について検討した。鶏糞からのアンモニアの除去量は、室温条件(25℃)においては0.41 mg/Lであり、高温可溶化条件(80℃、 MU3株添加)においては0.85 mg/Lであった。この結果から、高温可溶化法によるアンモニアの除去効果は室温条件と比較して2倍以上であることが確認された。また、高温可溶化メタン発酵の連続試験(80℃、MU3株添加)の結果、メタン発酵槽内のpHは7.4~7.8の間で推移しており、ORPは−460~−410 mVの間で推移しており、メタン発酵槽の最適なpH(6.5~8.2)と ORP(−150 mV以下)であることが確認された。バイオガス組成結果は、GC-TCDによるガス分析の結果、 56%のメタンガスの含有が確認された。以上の結果から、鶏糞は高温可溶化法による前処理により鶏糞はメタン発酵に利用できる可能性が示された。
ISSN:1884-4375
2186-3725
DOI:10.11162/daikankyo.19H0401