下顎前突症患者に対する上下顎移動術後の顎骨安定性について 骨接合にチタンミニプレートを使用した群と吸収性PLLAプレートを併用した群の比較

「緒言」顎矯正手術における骨接合には生体親和性の高いチタンミニプレートが用いられているが, 多くの医療機関では金属イオンの溶出や術後の画像診断などへの妨げを理由に骨治癒後にプレート除去術が行われている1, 2). 一方, 近年では生体内吸収性材料の研究が進み, 本邦でもポリ-L-乳酸製の吸収性プレート(以後PLLAプレート)が顎矯正手術に応用されるようになってきた. われわれも, 2002年よりLe Fort I型骨切り術における前歯部の切開線を歯肉縁切開に変更したことに伴い, 梨状口側縁部の骨接合に除去の必要のないPLLAプレートを使用している. PLLAプレートは除去の必要がないという利点...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 18; no. 3; pp. 214 - 220
Main Authors 小林, 正治, 永井, 正紀, 齊藤, 力, 長谷部, 大地, 齋藤, 功, 五島, 秀樹, 加納, 浩之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.08.2008
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.18.214

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Summary:「緒言」顎矯正手術における骨接合には生体親和性の高いチタンミニプレートが用いられているが, 多くの医療機関では金属イオンの溶出や術後の画像診断などへの妨げを理由に骨治癒後にプレート除去術が行われている1, 2). 一方, 近年では生体内吸収性材料の研究が進み, 本邦でもポリ-L-乳酸製の吸収性プレート(以後PLLAプレート)が顎矯正手術に応用されるようになってきた. われわれも, 2002年よりLe Fort I型骨切り術における前歯部の切開線を歯肉縁切開に変更したことに伴い, 梨状口側縁部の骨接合に除去の必要のないPLLAプレートを使用している. PLLAプレートは除去の必要がないという利点を持つが, プレート周囲に形成される線維性被膜によって緩みが生じたり3), 強度に難点があるなどの欠点も指摘されている4, 5). そこで本研究では, 下顎前突症に対する上下顎移動術の骨接合にチタンミニプレートのみを使用した群とPLLAプレートを併用した群に分けて, 術後の顎骨安定性を比較検討した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.18.214