放射化学中性子放射化分析法による高純度鉄中の微量ニッケル及びコバルトの同時定量
高純度鉄中のNi及びCoを陰イオン交換クロマトグラフィー及び水酸化コバルト沈殿法を伴う放射化学中性子放射化分析法(RNAA)を用いて定量した。試料0.1gをTRIGA-II及びJMTRで6~12時間照射を行った。また,試料をCdはくで覆い,JMTRで30時間照射して熱外中性子及び高速中性子照射を行い,Niの定量下限値の向上について検討した。照射後の試料に放射化学的分離操作を行い,マトリックス元素であるFeから生成された59Fe,54Mn及び51Crを除去した後,Ni及びCoの分析目的核種である58Co及び60Coを回収し,γ線測定を行った。その結果,Niの含有量が微量なため,認証値が求められて...
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Published in | 分析化学 Vol. 49; no. 9; pp. 683 - 690 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
2000
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.49.683 |
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Summary: | 高純度鉄中のNi及びCoを陰イオン交換クロマトグラフィー及び水酸化コバルト沈殿法を伴う放射化学中性子放射化分析法(RNAA)を用いて定量した。試料0.1gをTRIGA-II及びJMTRで6~12時間照射を行った。また,試料をCdはくで覆い,JMTRで30時間照射して熱外中性子及び高速中性子照射を行い,Niの定量下限値の向上について検討した。照射後の試料に放射化学的分離操作を行い,マトリックス元素であるFeから生成された59Fe,54Mn及び51Crを除去した後,Ni及びCoの分析目的核種である58Co及び60Coを回収し,γ線測定を行った。その結果,Niの含有量が微量なため,認証値が求められていない高純度鉄標準物質JSS001-4を分析でき,定量値0.093±0.009ppmを得た。定量下限値はNi及びCoについてそれぞれ0.01及び0.0001ppmであった。 |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.49.683 |